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ボディを買うよりレンズを買った方が幸せになれると偉い人がいうように、写真の見た目を大きく変えるのはレンズです
特にレンズの画角次第(特に広角・望遠域)では、普段僕たちが肉眼で見ることができない世界を映し出すことができるため、被写体を引き立てる上で、大きなアクセントを加えることができます

同じロケーションでも、いろんな画角を組み合わせるとバリエーションが増えるので、撮れ高がグッとアップしますよ
そこで今回の記事では、広角レンズ・望遠レンズに新たにチャレンジしてみたいと考えている方に向けて、それぞれの特徴(メリット・デメリット)や撮影のコツなどをご紹介します
画角の特徴を活かせているかは写真からパッとわかりやすいですし、写真のスキルがモロに出てくる部分です
せっかく新しいレンズにチャレンジするのであれば、ぜひ今回の記事を参考に被写体の魅力を最大限引き出すテクニックを身につけましょう
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レンズの特徴をざっくり解説
レンズは画角(撮影できる範囲)に応じて、大きくは「広角・標準・望遠レンズ」の3種類に分類することができます
レンズ画角 (焦点距離の目安) | 広角レンズ (35mm以下) | 標準レンズ (40〜60mm) | 望遠レンズ (70mm以上) |
画角の広さ | 肉眼より広い | 肉眼に近い | 肉眼より狭い |


キットレンズのようなズームレンズの場合は、レンズの位置を伸ばしたり・縮めたりすることで画角を変えることができます
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そもそもご自身がお使いのレンズが、広角なのか、望遠なのかよくわからないという方は、まずは以下の記事を参考にチェックしてみてください
イメージで伝える広角・標準・望遠レンズの違い
広角・標準・望遠域で実際に撮影した写真の見た目を比較してみます。画角の広さはもちろん、ボケ感・奥行き感・周辺の歪みについてもチェックしてみてください
撮影設定・カメラ位置を固定し、画角だけを変更(広角)

撮影設定・カメラ位置を固定し、画角だけを変更します

撮影設定・カメラ位置を固定し、画角だけを変更(望遠)


微妙に奥行き感や周囲の歪み具合に特徴が出ているのがわかりますでしょうか?
広角・標準・望遠レンズの特徴まとめ
先ほどイメージで紹介したそれぞれのレンズの違いを文字に起こすと、以下のような特徴が見られます。その他にも撮影に影響する観点があるため、以降のパートで詳しく紹介していきます

レンズのスペックによって必ずしも一致はしないものの、大まかな傾向は以下のようになります!
レンズ画角 (焦点距離の目安) | 広角レンズ (35mm以下) | 標準レンズ (40〜60mm) | 望遠レンズ (70mm以上) |
画角の広さ | 肉眼より広い | 肉眼に近い | 肉眼より狭い |
奥行き感 | 出やすい | 中間 | 出しづらい |
ボケ感 | 小さい | 中間 | 大きい |
歪みの出やすさ | 歪みやすい | 中間 | 歪まない |
手振れ耐性 | 強い | 中間 | 弱い |
寄りやすさ | 寄れる | 中間 | 寄れない |
レンズの長さ | 短い | 中間 | 長い |
以降では、広角レンズ・望遠レンズのメリット・デメリットという観点から、それぞれの特徴を解説していきます

ぜひ、一緒に特徴を理解していきましょう!
広角レンズのメリット・デメリット
広角レンズは、肉眼よりも広い範囲を映し出すことができるレンズです
焦点距離の目安はフルサイズ換算で35mm以下と言われています。さらに広い範囲を写すことができるレンズを「超広角レンズ」とも呼びます
レンズ画角 (焦点距離の目安) | 超広角レンズ (20mm以下) | 広角レンズ (35mm以下) |
代表的な 撮影ジャンル | 風景・星空 建物・ポートレート | スナップ・建物 ポートレート |

焦点距離については、厳密な目安は存在しないようですが、一般論として35mmが一つの基準となると思います
- 大きな被写体を写真に収めることができる
- パースを活かしたダイナミックな表現ができる
- 動画撮影で使いやすい
- 背景への映り込みに最大限の工夫が必要
- ボケ感を得られにくい
- 被写体が歪みやすい
広角レンズのメリット①:大きな被写体を写真に収めることができる
風景・建物・空などのスケールの大きな被写体や、建物内をまるっと写真に収めたい場合には広角レンズが非常に活躍します
また、最近SNSなどで人気のポツン構図(広い風景の中に人がポツンと配置されている)は、広角レンズならではの構図ですので、ポツン構図を試してみたい方はぜひ広角レンズで撮ってみましょう
ポツン構図の例

広角レンズのメリット②:パースを活かしたダイナミックな表現ができる
広角レンズは、四隅に向かって画像が流れるように見える(パースと呼ばれます)ため、これを活かしてダイナミックな写真を撮ることができます
また、四隅の方向だけではなく、奥にあるものは小さく・近くのものは大きく見える特徴を活かして、リーディングライン(視線誘導)を作るのも面白い表現方法の一つです
建物や風景でダイナミックな表現ができる

四隅からリーディングラインを作った作例

広角レンズのメリット③:動画撮影で使いやすい
動画は写真と違い手ぶれがダイレクトに見えてしまうため、なるべく手ぶれが目立たない広角レンズが適していると言われています
また、Youtube撮影やVLOGなどで自分を撮影する際にも、肉眼の視野に近い広角レンズは、視聴者との自然な距離感を出すことができるため、多くの方が広角レンズを使っています
広角レンズのデメリット①:背景への映り込みに最大限の工夫が必要
広角レンズは広い範囲を写せる反面、余計な情報が入ってきやすく、雑然な写真となる傾向があります
背景を整理するスキルが必要なること(ここは徐々に身につけていけば良いですが)、周囲の一般の方への配慮を最大限に行う必要がある点には事前の注意が必要です

広角レンズのデメリット②:ボケ感を得られにくい
これはデメリットとまでは言えないものの、標準レンズや望遠レンズと比べて広角レンズはボケが小さくなります
F4固定で比較|左:35mm(広角)/ 右:66mm



同じ距離感・F値で撮影しても、焦点距離が短いレンズのほうがボケない特性があります
F4通しのレンズなど、比較的最小F値が大きな広角レンズではボケが小さく、スマホと見た目が大きく変わらないような印象を持たれるかもしれません

一方で、F1.8のように大口径の広角レンズであれば、比較的十分なボケ感を得ることができるかと思います
広角レンズのデメリット③:被写体が歪みやすい
広角レンズは被写体との距離をちょっと離しただけで、被写体が非常に小さく映ることになります。そのため、被写体に近づいて撮影することが一般的ですが、その際に被写体が歪みやすくなります

歪みは撮影する距離に依存するため、広角レンズは歪みが起きやすいレンズと言えます

歪みの発生を極力減らすためには、以下の2つを心がけましょう
- 被写体を中央に配置する
- 可能な限り離れて撮影する
とはいえ、これは広角特有のダイナミックな表現と裏腹となりますので、ピシッと真っ直ぐ撮りたい場合は望遠レンズをチョイスすると良いかと思います
特にポートレートでは顔を中心に配置するのがおすすめです


ここまでが広角レンズのメリット・デメリットの紹介でした。お次は望遠レンズについて特徴を紹介します
望遠レンズの特徴まとめ
望遠レンズは、肉眼よりも狭い範囲を画質の劣化を起こすことなく映し出すことができるレンズです
焦点距離の目安はフルサイズ換算で70mm以上と言われています。標準域(50mm)に近い画角のレンズを「中望遠レンズ」、さらにズームができるレンズを「超望遠レンズ」と呼びます
レンズ画角 (焦点距離の目安) | 中望遠レンズ (70mm以上) | 超望遠レンズ (200mm以上) |
代表的な 撮影ジャンル | スナップ・ポートレート ・商品撮影など | スポーツ・飛行機・野鳥・動物・風景 |
- 主題を明確にしやすい
- 余計な写り込みを最小限にできる
- 被写体が歪まない
- 手振れが目立ちやすい
- 被写体との離角(距離)が必要
- レンズが比較的大きくて重い
望遠レンズのメリット①:主題を明確にしやすい
狭い領域を拡大して映し出すことができる望遠レンズは、肉眼で見える範囲よりも情報量がスリムになるため、必然的に主題を明確にしやすくなります
また、光学の原理としてレンズの焦点距離が大きくなるほどボケ感が大きくなることや、「圧縮効果」と呼ばれる奥行きが潰れて見える現象が起きるため、これらが相まって被写体をさらに強調することができます
焦点距離85mmで撮影

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ボケ感は被写体の距離感などにも依存します。ボケの仕組みについて体系的に詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてください
望遠レンズのメリット②:余計な写り込みを最小限にできる
写真の中に世界観を作る上で、余計な写り込みはできるだけ避けたいですよね

観光地での撮影など、多くの人が訪れる場所では人が居なくなるまで長時間粘った経験を持つ方も少なくなりかと思います
望遠レンズは狭い範囲を切り取るため、写り込みが入りにくく、またボケ感が大きくなることから、ボツ写真となるリスクを最小限にしてくれる点で大きなメリットがあります
背景整理のしやすさが段違いで楽です

望遠レンズのメリット③:被写体が歪まない
これは特に商品撮影などの物撮りやポートレート撮影で受けるメリットですが、望遠レンズは距離を開けて撮っても被写体が小さくならないため、被写体を歪めずに撮ることができます
当ブログのサムネイルは焦点距離100mm程度にして離れて撮影しています


物理的に被写体に近いところから撮るほど、被写体は歪んで見えるため、一般的に商品撮影の現場では望遠レンズが使われることが多いですよ
距離感と被写体の歪みの特徴については、こちらの動画で詳しく解説されていますので、ぜひチェックしてみてください
望遠レンズのデメリット①:手振れが目立ちやすい

中望遠、そして超望遠になるほど狭い範囲を切り取るため、多少の手振れが目立つようになります
手ぶれ自体はシャッタースピードを速めに設定することで回避できますが、暗い撮影シーンなどでシャッタースピードを速くするためには、ISO感度を上げざるを得ないので、写真にノイズが乗りやすくなります

手ぶれのリスクとノイズのトレードオフを迫られるので、僕は暗いシーンではあまり望遠レンズを使わないようにしています
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シャッタースピードとISO感度の関係性について、詳しく理解したい方はぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
望遠レンズのデメリット②:被写体と距離(離角)が必要
望遠レンズは被写体を大きく写すことができる反面、余白を持たせた写真を撮ろうとすると離れた位置から撮影する必要があります
そのため、ポートレート撮影では被写体との声のコミュニケーションが取りづらくなることや、通行量の多い場所では周囲の一般の方への配慮も増えてしまいます
お子さんの撮影では特に注意が必要ですね

僕の場合は、子供をワンオペで撮影する場合は周囲への配慮が欠ける(危ない)ので、望遠レンズは使わずに標準レンズを使うようにしています
ポートレート撮影では、中望遠レンズ(焦点距離100mmまで)程度に留めておき、被写体とのコミュニケーションを最低限取れる機材選びをすることをおすすめします
一方、風景撮影・野鳥・動物・花の撮影など、コミュニケーションを必要としない撮影では特にデメリットはないため、用途に応じて焦点距離をチョイスしましょう
野鳥や動物はむしろ距離を取ったほうが撮りやすいです

望遠レンズのデメリット③:レンズが大きい・重い
焦点距離が長いレンズ=レンズが長いレンズとなるため、どうしてもサイズ感と重さが依存して肥大します
旅行などの歩き回る撮影では、レンズを持ち運ぶと肩や腰への負担が大きいため、いつでもどこでも持ち運べるというわけにはいかない点には注意しましょう

車移動など、移動中の負担が気にならない方は特にデメリットにはならないと思います
焦点距離500mmだと小さくてもこの位のサイズ感になります

また、運動会や飛行機、野鳥撮影などの定点からの撮影がメインの場合は、重さの軽減のために三脚を用意すると良いですよ。この際、三脚の耐荷重はしっかりとチェックしておきましょう

広角レンズと望遠レンズのどっちがおすすめ?

標準域のレンズを使い始めて、新しい画角のレンズにチャレンジしてみたいと思う方もいらっしゃるかと思います
とは言え、予算も限られていますし画角の特徴も両極端のため、どっちの画角がおすすめなのか気になるところですよね
これに対する僕の意見は、望遠レンズを選ぶのがおすすめだと考えています(難易度的にも使用頻度的にも)
初心者の方に望遠レンズがおすすめな理由
望遠レンズの特徴で紹介した通り、望遠レンズは主題を明確にしやすく、また映り込みも少ないことから相対的にシャッターを切る機会が増えることが理由の一つです
また、別の理由として、肉眼の中から本当に撮りたいものを考え・シャッターを切る一連という写真の基本動作を反復しやすい点もおすすめのポイントです


僕自身も広角よりも望遠のほうが圧倒的に持ち出し頻度が高いですし、手軽にボケ感を作れる点も使っていて単純に面白いのでおすすめのポイントです
焦点距離70-200mmの望遠ズームがおすすめ
ただし、あまりにも焦点距離が長いレンズをチョイスすると、サイズ感が大きくなり過ぎてしまうので、初めの一本としては焦点距離70-200mm程度の望遠ズームレンズから始めてみると良いかと思います

SONYユーザーの方は、ぜひタムロンの70-180mm F2.8をチェックしてみてください
僕自身も持っているレンズで、望遠ズームとは思えない程のコンパクトなサイズ感と10万円程度で変えるコスパの良さが魅力です
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SONY Eマウントのおすすめレンズは以下の記事にまとめています。コスパ重視で単焦点・ズームレンズをピックアップしていますので、ぜひ参考にしてください
まとめ:焦点距離の特徴を理解しワンランク上の表現を身につけよう
今回は、広角・望遠レンズそれぞれの特徴(メリット・デメリット)・撮影のコツについて解説しました。改めて特徴をまとめると以下のようになります

皆さんの新しい気づきのきっかけになれば嬉しく思います!
レンズ画角 (焦点距離の目安) | 広角レンズ (35mm以下) | 標準レンズ (40〜60mm) | 望遠レンズ (70mm以上) |
画角の広さ | 肉眼より広い | 肉眼に近い | 肉眼より狭い |
奥行き感 | 出やすい | 中間 | 出しづらい |
ボケ感 | 小さい | 中間 | 大きい |
歪みの出やすさ | 歪みやすい | 中間 | 歪まない |
手振れ耐性 | 強い | 中間 | 弱い |
寄りやすさ | 寄れる | 中間 | 寄れない |
レンズの長さ | 短い | 中間 | 長い |
広角・望遠レンズは多少扱いが難しい点がありますが、扱いに慣れてしまえば非日常的な表現ができるため、他の写真との差別化やバリエーションのアップにつなげることができます
運動会や結婚式など、一時的な使用を控えている方は、レンズレンタルなども活用するとお得に使えますので、ぜひこちらも試してみてください
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まずは実際に使ってみて、少しずつ感覚と経験を身につけていただければ幸いです
当ブログでは、SONY機材を中心に各種レビューを行っています。以下の記事では、巷で神レンズと呼ばれるSONY Eマウントの単焦点・ズームレンズを紹介しています。お気に入りの一本を見極める参考にしてみてください
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