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SONY Eマウントレンズの中で、50mm付近の単焦点レンズが欲しいけど、撒き餌レンズはAF性能や写りのクオリティが少し心許ないと感じている方は多いかと思います。
そんな中でコスパを考えていくと射程圏内に入ってくるのが「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」。新品価格で約8万円と決して安くはないものの、Eマウントの中でも銘レンズ言われるほどに人気のレンズです。

とは言え、カタログスペックだけを見ていても良さが分かりづらいかと思いますので、今回は僕自身の体験談を踏まえて「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」の良いところ・気になるところを作例と共にまとめて紹介していきます。
このレンズの特徴は、発売から約10年近く経とうとしている今でもオリジナリティを確立していると感じていて、使っていて非常に満足度が高いレンズです。

よく「ツァイスならではの独特の空気感が出せるレンズ」と言われるのは本当にその通りだと思っていて、SONY純正レンズとはまた一つ違う特徴を持つレンズだと感じます。
特にこのレンズは、以下のような方にピッタリなレンズです。ぜひ最後までチェックしてみてください。
- 様々なシーンに応用の効く標準域の単焦点レンズが欲しい
- とはいえポートレートにも使えるレンズが欲しい
- クオリティとコスパの両方を求めたい

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Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)|スペックと外観
まずはじめに「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」のレンズスペックと外観について紹介します。簡単に特徴的な点についてピックアップしていきますので、まだスペックをよく理解できていないと感じている方はチェックしてみてください。
FE 55mm F1.8 ZAと同様に、Eマウントで焦点距離50mm付近のレンズを比較したい方はこちらの記事もどうぞ。

すでにスペックや外観をご存知の方は、次の作例パートまでジャンプしてください
レンズスペック
ここでは「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」のレンズスペックについて3つの特徴を紹介します。まずは全体的なスペックを以下の表にまとめています。

簡単にまとめると「小型軽量・F1.8と明るい標準単焦点レンズ」と言えますね
レンズ名称 (型番) | Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z) |
焦点距離 | 55mm |
F値(最小〜最大) | F1.8〜F22 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
レンズ構成 | 5群7枚 |
フィルター径 | 49mm |
重さ | 281g |
最大径 × 長さ | 64 × 70 mm |
最短撮影距離 | 0.5m |
最大撮像倍率 | 0.14倍 |
レンズ内手ぶれ補正 | なし |
防塵防滴 | 対応 |
特徴①:標準域の大口径(開放F1.8)単焦点レンズ
「FE 55mm F1.8 ZA」の焦点距離は55mm。これは人間が意識的に見る視野角に非常に近いと言われています。パッと被写体を見つけていざ撮ろうと思った時にファインダーで見える画が頭の中のイメージとマッチしやすいため、違和感なくシャッターを切ることができます。

肉眼とのギャップが少ないので、初心者の方でも使いやすい画角と言われますね
また、開放F1.8と非常に明るいレンズのため、夜景や水族館といった暗い場所での撮影でも対応しやすい上に、焦点距離55mmの特徴と相まって、トロトロのボケ感を出せるレンズとなっています。
ポートレートにもバッチリ使えるレンズです


単焦点レンズにはボケ感や明るさを求める方が多いかと思いますのが、期待にしっかり応えてくれるレンズと言えますよ
SONYのフルサイズ機に備わっている「APS-Cクロップモード」を使えば、換算82.5mmと中望遠レンズとして使うこともできますので、画角の観点においても汎用性が高く使い勝手が良いレンズです。
特徴②:軽量コンパクト
一般的に画質にこだわればこだわるほどにレンズのサイズは大きくなりますが、このレンズは開放F1.8の大口径レンズでありながら重さはやったの281g。フィルター径49mmと細めの筐体も相まってめちゃくちゃ小さく感じます。


コンパクトなので、とりあえず持っていこうと思わせてくれるレンズですね!
特徴③:被写体にあまり寄れない
3つ目はややネガティブな特徴ですが、「FE 55mm F1.8 ZA」は最短撮影距離が50cm。50cmよりも近い被写体にはピントが合いません。すこし使い方に制約があるので、その点をデメリットに感じる方はいるかもですね。

テーブルフォトや小さな被写体をよく撮る方は気にしておくべきポイントかと思います
とはいえこの程度までは寄れるため影響は限定的
以上、ここまでが簡単なスペック面のおさらいでした。
レンズの外観・付属品
簡単にスペックについて触れたところで、ここからは「FE 55mm F1.8 ZA」の質感や付属品、使っていて便利だと感じたポイントを紹介していきます。

ヨドバシなど、大型の量販店じゃないと撮り扱いが無いレンズですので、ぜひイメージを掴んでいただければ幸いです
レンズの大きさ・外観について
先ほどスペック編で紹介した通り、サイズ感はびっくりするほどにコンパクトで軽い点が印象的。フルサイズ対応のF1.8大口径レンズでここまで綺麗にまとまったレンズは正直他に見たことがないくらいです。

筒状のシンプルでミニマルなデザイン、滑らかなピントリングの操作感は高いビルドクオリティを感じさせてくれます。カールツァイスの青いロゴもめちゃくちゃかっこいいですね。


傷に強い金属製の筐体です。3年使っている割には綺麗な見た目なのも剛性が高い証拠ですね!
SONY α7IIIにつけてみると以下のような見た目に。カメラボディとレンズの大きさのバランス感、最高だと思います。所有感を高めてくれるとはまさにこのことだと思える数少ないレンズですね。



シンプルな見た目がカッコよくて僕も見た目では一番気に入っているレンズです!
「FE 55mm F1.8 ZA」に付属するレンズフードがこちら。花形のフードですね。レンズに対してやや大きい印象です。



フィルター径は、少し珍しい49mm。プロテクトフィルターやNDフィルターは49mmに合うものを用意しましょう。

参考に同じく「FE 40mm F2.5 G(SEL40F25G)」をはじめとした超小型軽量Gレンズラインナップも同く49mmのフィルター径です。これらのレンズと組み合わせれば、フィルター類を使い回すことができます。
可変NDフィルター選びにお悩みの方は、ぜひNiSiの可変NDフィルターをチェックしてみてください
価格はやや高いものの、色味の変化の少なさ、周辺減光のムラの少なさでダントツのクオリティですよ


Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)|作例紹介

スペックと外観について簡単に紹介したところで、実際にどんな画が撮れるのか、一緒に見ていただきたいと思います。
振り返って感じるのは、このレンズを使うと「独特の空気感」を出せるということ。後ほど感想レビューパートでも話しますが、独特なボケ感と寒色寄りの色味がそう感じさせてくれます。

F1.8, SS 1/2000s, ISO 100

F1.8, SS 1/125s, ISO 800

F5.0, SS 1/8000s, ISO 100

F1.8, SS 1/500s, ISO 500

F1.8, SS 1/400s, ISO 500

F4.0, SS 1/40s, ISO 1000

F4.0, SS 1/2500s, ISO 100
F1.8, SS 1/1000s, ISO 100

F1.8, SS 1/5000s, ISO 100

F1.8, SS 1/1250s, ISO 100

F1.8, SS 1/6400s, ISO 100

F1.8, SS 1/8000s, ISO 100

F1.8, SS 1/125s, ISO 500

F4.0, SS 1/1250s, ISO 100

F1.8, SS 1/20s, ISO 800

F1.8, SS 1/125s, ISO 640
以上が作例の紹介でした。開放F1.8を活用して夜間の撮影から、ボケ感の大きなポートレート、細部までよく解像したスナップなど本当に幅広いシーンで高いクオリティを発揮してくれるレンズだと感じます

では、ここからはもう少し踏み込んで「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」を3年以上使ってみてよかった点(メリット)・気になる点(デメリット)について紹介して行きます

Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)レビュー|メリット面

ここからはみなさんが一番気になる「使ってみてどうなの?」と言う部分にフォーカスして、僕なりの意見をまとめて紹介していきます。
結論から言うと「大満足」の一言に尽きるのですが、そう言える理由を以降でひとつずつ紹介します。
高い解像感と透明感のある写りが魅力
「FE 55mm F1.8 ZA」の一番の魅力は抜群の解像力と色味。特にシャープネス(解像感)は、さすがツァイスレンズと思わせてくるほどに高く、開放F1.8からレンズ中央部はキレッキレです。
合焦した部分の解像度は開放から凄まじいです

色味はSONY純正レンズにかなり近くニュートラルでクリアな写り。肌の色が転ぶことなく被写体そのものの色味を引き出してくれます。
白に近いスキントーンを出しやすい

純正の単焦点レンズを他にも揃えたい人は、特にレンズの色味を揃えておくと編集が楽になるかと思います!
大口径レンズを気軽に持ち運べる

このレンズの魅力を語る上で欠かせない要素が携帯性の高さ。写りが良い標準域&F1.8のレンズはGMレンズなどを含め他にもたくさんありますが、このサイズ感で写りの高さも両立したレンズは「FE 55mm F1.8 ZA」以外に無いと言い切っていいと僕は思っています。
大口径標準レンズ | 開放F値 | 重さ | 実売価格 |
---|---|---|---|
Sonnar T* FE 55mm F1.8 Z | F1.8 | 281g | 約9万円 |
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA | F1.4 | 778g | 約16万円 |
FE 50mm F1.2 GM | F1.2 | 778g | 約25万円 |
一覧にしてみると改めてわかる尋常じゃ無い軽さ。軽さだけで比べたら撒き餌レンズのFE 50mm F1.8(186g)に近いくらいですが、そこは写り・ビルドクオリティ・AF速度で明らかな差別化が図られています。
ただでさえ使用頻度が高い標準域の単焦点レンズですので、やっぱりレンズは手軽に持ち運べることに越したことは無いですし、ぜひ皆さんにも試してほしいレンズの1本です。
ポートレートとスナップレンズを両立できる画角
標準域と言えば50mmを連想される方が多いかと思いますが、このレンズは55mmの焦点距離と開放F1.8によってボケ感がかなり大きく感じます。スナップ・ポートレート(人物撮影)にも使えるのが非常に良いところですね。
被写体と背景・前景をしっかり分離して、被写体を強調することができます
特に僕みたいに子供を撮る方など、カメラ機材には軽量コンパクトな機動力を求めたいと言う方にはFE 55mm F1.8 ZAは非常におすすめできるレンズです。
歩きながら片手で撮れるので直感的に感じたものを撮れます

素直さと独特さを併せ持つボケ味が面白い
FE 55mm F1.8 ZAはボケ感は巷ではやや癖があるとも言われているのですが、僕個人としてはそこを含めてかなり好み。癖があるといっても背景・前景のボケは素直ですごく滑らかです。
一方で特徴的なのが玉ボケで、背景に玉ボケが多い環境だといわゆるグルグルボケと言われるループ上のボケに見えるのが特徴的。素直さと個性を併せ持ったレンズになっています。
画面端のボケがレモン型につぶれることでグルグルとした印象になります
高速かつ静かなAF性能
ツァイスブランドということでオートフォーカス性能が気になる方もいるかもしれませんが、ここも全く気にならない程に高速で静か。SONYが監修していることもあり、純正レンズに全く引けを取らないレベルです。
FE 55mm F1.8 ZAは、写り・サイズ感・AFの性能の3拍子がうまく揃った大口径標準域レンズ。自信を持っていろんなシーンに持ち運べる最高の単焦点レンズです。
ボケに個性があるのも愛嬌があるところで、そういった個性と万能性が両立している点がいまだにこのレンズが評判高い理由なんだと思います。

Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)レビュー|デメリット面
ここまで「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」の良いところについて紹介してきましたが、実は僕自身多少割り切って使っている点もありますので、人によってはデメリットになり得るかもしれないポイントもしっかりお伝えして行きます。
寄れない|テーブルフォトや物撮りはやや厳しい
このレンズで最も多くの人が割り切っているであろう点が、被写体に寄れないところだと思います。スペック編でも触れた通り、このレンズは最短撮影距離が0.5mとなっているため、多少使いづらいシーンが出てきます。
0.5mは体感では結構長くて、左手に物を持ってカメラを構えてもピントがギリギリ合うか微妙なライン。座ったまま手元の料理を撮ることも場合によっては難しい時があります。
この写真も結構を頑張って手を伸ばして撮りました


寄れない特徴はツァイスレンズの代名詞みたいなところなので、割り切って使う必要がありますね
とはいえ、ポートレートやスナップでは、ここまで近くまで寄って撮影する機会は多くないので、僕自信としてはしっかりと距離を取って撮影をしています。
料理を撮ったり、小さな物撮りが多い方など、寄れる単焦点レンズを探している方は、同じくコンパクト&標準域単焦点レンズである「FE40mm F2.5G(SEL40F25G)」もチェックしてみてください。
とはいえ、ボタン類がないことがこのレンズのスタイリッシュな見た目にも活きていますし、これだけの性能でありながら8万円台に収めてくれているところを踏まえると、ここは十分割り切れるポイントかなと思います
外部ボタンが一切ないため動画では物足りないかも
2点目の気になるところは、外部ボタンやスイッチ類の少なさ。と言うより「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」には外部ボタンやスイッチが全く存在しません。


ちなみにSONY純正レンズの場合、無印シリーズでさえもファンクションボタンやAF/MFの切り替えスイッチが付いています
基本的にフルサイズユーザーの方であれば、ボディ側にファンクションボタンがたくさん搭載されたモデルが多いため、デメリットには感じにくいとは思います。一方で、α6000シリーズなどAPS-C機を使っている方は外部ボタンが物足りなく感じるかもしれませんね。

まとめ:描写と携帯性を両立させた使い勝手抜群のレンズ

今回は、SONY Eマウントの標準域単焦点レンズの中でも銘レンズと呼ばれる「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」についてレビューしました。
圧倒的な小型軽量さを持ちながら、高い描写と高速なAFなど欠点が少ないレンズで、ズームレンズとの差別化をしたい・明るい単焦点レンズがほしいと思っている方にとってイチオシのレンズです。
価格は決して安くは無いですが、画角・サイズ感が相まっていろんなシーンに持ち出してバリバリ使えるレンズですので、ぜひみなさんもゲットしてみてください。。

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