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広角レンズをお探しのみなさんこんにちは。フォトグラファーのはろ(@haroharo72)です。
今回は、2022年の発売以降からEマウントの単焦点レンズの中でも圧倒的な人気を誇るレンズ「FE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)」についてレビューしていきます。

個人的に思う人気の理由は欠点の少なさ。決して安くない価格(10万円超え)ではあるものの、高い解像感・少ない歪み・高速AF・ボケの質・小型軽量など、これまでの超広角レンズではどこか欠けていがちなポイントが全部揃っているのがこのレンズの特徴です。

小さくて写りが良くて大口径・・・まさにみんなが待ち望んだレンズです!
僕は特にVLOG撮影で重宝していて、目が離せない我が子から離れすぎることなく、周辺の情報を広く入れることもできますし、開放で撮れば被写体が浮き上がるような独特な表現ができるので非常に気に入っています。
この記事では、写真・動画の作例を交えつつ描写性能・高いビルドクオリティ・優秀な動画手ブレ補正の様子など、細かいお気に入りポイントを余すことなくお伝えしていきます。
繰り返しになりますが欠点を探すのが難しいほどに完成度が高いレンズで、超広角が欲しいならまずこれを選んでおけば後悔はしないと言っても過言じゃないくらいにおすすめです。
前置きが長くなりましたが、それでは「FE 20mm F1.8 G」のレビューに移っていきましょう。

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FE 20mm F1.8G(SEL20F18G)|スペック・外観
はじめに簡単にスペックや外観を紹介していきます。すでに知っているよという方は作例までスキップしてもらって大丈夫です。

レンズスペック
「FE 20mm F1.8 G」はEマウントフルサイズ対応の超広角単焦点レンズ。超広角で開放F1.8に対応しつつ、グッと軽量コンパクトに抑え込まれている点が特徴的です。
レンズ名称 (型番) | FE 20mm F1.8 G (SEL20F18G) |
焦点距離 | 20mm |
F値(最小〜最大) | F1.8〜F22 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
レンズ構成 | 12群14枚 |
フィルター径 | 67mm |
重さ | 373g |
最大径 × 長さ | 74 × 85 mm |
最短撮影距離 | 0.19m(AF時)|0.18m(MF時) |
最大撮像倍率 | 0.2倍(AF時)|0.22倍(MF時) |
レンズ内手ぶれ補正 | なし |
防塵防滴 | 対応 |
SONYのフルサイズ対応超広角レンズの中では現時点で最も軽いレンズであり、Eマウントで超広角を使いたい方にとっては、まず検討の第一候補になるレンズだと思います。

最大撮像倍率は0.2倍(AF)〜0.22倍(MF)とかなり寄れる部類。レンズフードをつけていると被写体にぶつかりそうになるくらいに近くまで寄って撮ることができます。


フィルター径は安心の67mm。サードパーティを含めてよく使われる口径ですので、レンズ間でNDフィルターを使い回しやすい設計になっています。

レンズ内手ぶれ補正は未対応。実はSONYの広角レンズは、基本的にはレンズ内手ぶれ補正が付いていません。
そもそも広角になるほど手ぶれが目立たづらい傾向がありますし、ボディ側のアクティブ手ぶれ補正で手ぶれが十分に抑えられるので、個人的にはレンズ内手ぶれ補正にはこだわらなくていいかなと思います。
レンズの外観
気になる大きさは、手のひらサイズでとても扱いやすいです。また、重さも373gと非常に軽いので、レンズがフロントヘビーになりません。まさにボディにジャストフィットといった印象。



Gレンズということもあって外部ボタンやリング機能はかなり豊富。ファンクションボタン・AF/MF切り替えスイッチに加えて、絞りリング・絞りリングのクリック音のON/OFFボタンが備わっています。


今ではGレンズにも標準で搭載されつつある絞りリングも付いています。可変NDを操作する感覚で直感的に露出を変えられるので、動画を撮る上ではかなり重宝する機構ですよ。

実はGレンズに絞りリングが搭載されたのは「FE 20mm F1.8 G」が初とのこと。

全体的なレンズの質感は、G・GMレンズに共通するマットな仕上がり。フォーカスリングも非常に滑らかで軽い操作感になっていて、総じてビルドクオリティは文句なしです。


また、一部の超広角レンズだと前玉が出っ張っていてフィルターを付けられないものもありますが、「FE 20mm F1.8 G」は大丈夫です。前面にフィルターを取り付けることができます。


付属品として専用のレンズポーチとレンズフードがついてきます。僕はいつも可変NDをつけているのでレンズフードはずっと防湿庫に眠りっぱなしです。




FE 20mm F1.8G(SEL20F18G)|作例の紹介

簡単にレンズスペックを振り返ったところで、ようやく作例の紹介です。
超広角と言えば、広い範囲を写せるので星空や室内写真撮影をイメージする方も少なくないと思いますが、実際にスナップで使ってみても広角特有の奥行きのある表現ができるのでかなり面白いレンズです。
特に歪みの少なさ・ボケの形・解像感は突出したクオリティを発揮してくれますので、ぜひ作例に目を光らせてチェックしてみてください。

F7.1, SS 1/320s, ISO 100

F5.0, SS 1/4000s, ISO 640

F14, SS 1/80s, ISO 125

F4.5, SS 1/320s, ISO 100

F1.8, SS 1/1250s, ISO 125


F5.6, SS 1/320s, ISO 125

F5.0, SS 1/320s, ISO 100

F1.8, SS 1/160s, ISO 100

F13, SS 1/60s, ISO 800

F8, SS 1/20s, ISO 800

F1.8, SS 1/80s, ISO 250


F1.8, SS 1/1600s, ISO 100

F8.0, SS 1/125s, ISO 500


F10, SS 15s, ISO 160

F1.8, SS 1/400s, ISO 1600

F1.8, SS 4s, ISO 3200
いかがでしょうか。流石Gレンズといわんばかりにクリアな写りをしますし、玉ボケの形や周辺の歪みの少なさなど、非常にクセのない素直な写りをするレンズになっています。

FE 20mm F1.8G(SEL20F18G)|レビュー・メリット

ここからは改めて僕が「FE 20mm F1.8 G」を使って満足している点(メリット)を書き起こしていきたいと思います。
僕がこのレンズをヘビロテしている理由を改めて紹介すると、やっぱり”軽さとクオリティを両立しているから”の一言に尽きます。レンズを持ち出す際にも安心感があるというか、使っていて充足感のあるレンズだなぁと。
また、僕が使っているSONY α7IVだと動画撮影する際に画角がクロップされる(狭くなる)場合があるのですが、その辺も含めて画角の広さも超お気に入りです。ぜひその辺をお伝えできればと思います。

なお、一般的に広角レンズとはこういう特徴があるよといった全体像は以下の記事でまとめていますので、是非こちらも参照してみてください。比較してみるとこのレンズがいかに優れているかがわかるかと思います。
高い描写性能(解像感・歪みの少なさ)
写真は動画と違ってどこかしっかりしていないといけないというか、静止している画像がパッと目に入るので、歪みがどうしても気になってしまうんですよね。その点「FE 20mm F1.8 G」は、歪みが少なくて本当に画がきれい。
JPEG撮って出しでもカメラ内で歪み補正がかかるので、見ていて違和感を感じないピシッとした線が出てきます。


ビルの線がこんにゃくのように曲がらずにピシッとしていますよね!
また、解像感も非常に優秀でF値開放でもレンズ中央から周辺まですごくシャープ。収差が出やすい画面隅の部分までしっかりくっきり解像してくれます。


ズームレンズと違って単焦点レンズの方が焦点距離に特化した専用設計ができるので、細かいクオリティは違ってきますね
逆光の状況でもコントラストが落ちにくく、現代レンズらしいクリアな写りを極めたレンズだと感じます。

広角だけどボケる・玉ボケも綺麗
広角レンズは光学特性上、標準レンズや望遠レンズよりボケが相対的に小さくなります。その点、「FE 20mm F1.8 G」はF1.8と超広角レンズの中でも屈指の明るいレンズ。F値開放ではボケ感のある美しい描写を得ることができます。

また、広角ながら開放F1.8ということで自撮りをした際に背景がしっかりボケてくれるのも嬉しいポイントですね。

ボケ感だけではなく、夜景や星空など暗い撮影シーンでもISO感度を無理に上げずに撮れるので、暗所でのノイズ耐性にも非常に強いレンズになっています。


星空撮影だと開放F値が小さい方がシャッタースピードを短くできるので、その分星が流れずに綺麗に撮ることができますよ
小型軽量で持ち運びしやすい
家族とのお出かけなど、気兼ねなく外にカメラを持ち出す際に大型のレンズはやっぱりどこか気が引けます。僕の場合は休日にこどもを撮ることが多いのですが、そうなると周りにも子供がたくさんいるので、大きなレンズはぶつかる危険もありますし、そう言った面でもなるべく小型なレンズを持ち出すようにしています。
その点でも、「FE 20mm F1.8 G」は気兼ねなく持ち出せる数少ないレンズで、特に広角を常用するVLOGではめちゃくちゃ重宝するレンズです。

レンズの筒が短く・重さも軽いため、ジンバルのバランス調整も簡単。フロントヘビーにならないので、実際に持ってみても腕が疲れづらい印象を受けます。
写真を撮るには(画角が広いため)使い所を選ぶ焦点距離ではあるものの、軽量コンパクトのため、標準ズームなどの他のレンズと合わせて持ち出しやすい点もいいところですね。


広角の表現をしたい時のために、とりあえずバッグに入れておこうか!と思えるサイズ感ですね
手ぶれが目立たない・高速AFに対応
純正レンズということでAFは十分すぎるほどに高速。駆動音も全く聞こえないので、動画撮影でも不満を感じることはありません。
また「FE 20mm F1.8 G」にはレンズ内手ぶれ補正は付いていないものの、α7IV以降の機種に搭載されているアクティブ手ぶれ補正に対応していて、これを使うことで手ぶれをかなり抑え込むことができます。
実際にアクティブ手ぶれ補正を使って歩行テストをしてみましたので、ぜひ手ぶれ補正の効き具合をチェックしてみてください。
どうでしょう。めちゃくちゃ手ぶれが軽減されていると思いませんか?ガチガチの忍者歩きではない状態で、ここまで手ぶれを解消できれば個人的には大満足レベルです。
それでもまだまだ手ぶれ補正が足りないよという方は、「FE 24-105mm F4 G OSS」が個人的にはオススメ。サイズはやや大きいものの、広角でレンズ内手ぶれ補正が使える稀有なレンズで、手ぶれ補正はピカイチです。
VLOGに最適な画角の広さ(クロップ耐性もバッチリ)
超広角レンズを使って自撮りVLOGをしたい方にも「FE 20mm F1.8 G」はおすすめ。
自撮りする際にはレンズを自分に向けて撮影することが多いと思いますが、ちょうど腕を伸ばした距離から撮影しても背景を含めて自分をしっかりと収めることができます。

アクティブ手ぶれ補正で若干クロップされていますが、それでも余裕のある画角かと思います
また、4K動画撮影では焦点距離45mm程度までズームしても画質の劣化をほぼ受けないため、単焦点と言いつつ動画では超広角〜標準までのズームレンズのような使い方もできます。

APS-Cクロップと電子ズーム1.5倍を組み合わせると、焦点距離45mm相当の画角になります!
シネマラインやα7SIIIなどの動画特化機を除くモデル(α7IVやα7RVなど)は、4K/60pで撮影すると画角が強制的に1.5倍クロップされるため、スローモーションを撮りたい方にとっては結構辛い仕様になっています。一方で、20mmの超広角なら1.5倍クロップを受けても35mmとして使えるので、影響を受けづらい点も大きなメリットですね。

この辺のデメリットについては以下の記事で詳しく書いています。動画では望遠側は伸ばせても、広角側は広げられないため、超広角レンズははやっぱり使いやすいです。
以上が「FE 20mm F1.8 G」を使って感じたメリット面でした。非常にクリアな写りをしますし、ボケも含めて描写は非常に満足。それでいて小型軽量で持ち運びにも困らないと言ったところがすごくお気に入りのポイントです。

FE 20mm F1.8G(SEL20F18G)|レビュー・デメリット

正直、超広角の単焦点レンズを使いたい方にとっては、デメリットと感じる点はほとんど無いと思います。
とはいえ、巷のレビューをみていると、このレンズのデメリットとして挙げられている点がいくつかあるため、僕なりの弁明を述べておきたいと思います。

結論として、どちらも後修正が可能なレンズの仕様です。
絞り開放時に周辺減光がそこそこ出る
「FE 20mm F1.8 G」のレンズ特性上、開放F1.8で撮影するとレンズの四隅にわかりやすい減光が発生します。
ただ、写真ではRAW現像ソフトでレンズプロファイルを当てれば一瞬で修正できますし、動画でもアスペクト比率を16:9に補正する関係でほとんど気になりません。
補正前|補正後



写真・いずれにしても補正で解消できる範囲の特徴ですので、実質的に困る方は少ないかと思います。
ブリージングによって画角が変わる
ピント位置を手前・奥方向で切り替えた際に画角が変わる事象を「ブリージング」と呼ぶのですが、「FE 20mm F1.8 G」ではそこそこブリージングが発生します。ただし、これもSONY α7IV以降の機種に搭載された「ブリージング補正機能」を使えば綺麗に消すことができます。
ブリージング補正をONにすると画角が1.1倍ほどクロップされますが、定点撮影であれば距離を取れば画角の不足分をカバーできるため、そこまで気になるものではないと思います。
以上が「FE 20mm F1.8 G」の気になる点でした。デメリットというよりはレンズの個性だと僕は感じていて、かつソフト側で十分に修正ができるものなので、特に使っていて困ると言ったシーンはないかと思います。
FE 20mm F1.8G(SEL20F18G)|おすすめな人
結論としては、動画を撮る方には最初の1本目からおすすめしたいレンズです。写真を撮る方にとっては、建築物を撮るのが好きな方・星景撮影をしたい方には特におすすめですね。

軽い超広角はすごく重宝しますよ!
広角・ボケ量が大きい・小型軽量の組み合わせで使えるレンズは実際に珍しく、VLOGやYoutube撮影には非常に相性が良いレンズだと感じます。

写真撮影では20mmの画角は広すぎると感じることが多く、どこでもいつでも使いやすいといった類ではないのですが、それでも小型軽量であるがゆえに、他レンズと組み合わせて持ち運んでも負担にならない点は非常に大きなメリットです。
明るい超広角レンズが欲しいと感じている方にはドンズバで刺さるレンズですので、ぜひ手に取ってみてください。

まとめ:欠点を探す方が難しい。超広角のニーズを満足する名レンズ

今回は、Eマウントの単焦点レンズの中でも人気の超広角単焦点レンズ「FE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)」についてレビューさせていただきました。
冒頭でもお伝えした通り、このレンズの強みは高い解像感・少ない歪み・高速AF・ボケの質・小型軽量といった、これまでの超広角レンズではどこか欠けていがちなポイントが全部揃っている点につきます。

欠点を探す方が難しいくらいにクオリティの高いレンズですね!
VLOG・Youtubeなどの動画撮影にベストなことはもちろん、室内撮影・星景写真・スナップなど写真撮影にもハイクオリティで活躍するレンズです。
Eマウントで超広角レンズが欲しいならまずこれを選んでおけば間違い無いと言っても過言ではないくらいにいいレンズですので、この機会に皆さんもぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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