「SONY α7III」の後継機として発売された「SONY α7IV(ILCE-7M4)」
従来の位置付け(フルサイズミラーレス入門機)とは少し変わり、α7IVは「Beyond Basic」の名の下に写真・動画どちらの機能もめちゃくちゃ綺麗に撮れるカメラとして発売されました
写真と動画どちらもハイスペックな機能であるものの、ネックは価格。入門機としては敷居の高い約30万円の価格ということもあり、購入に悩んでいる方も多いと思います

私もその一人でしたが、かねてから4K動画と写真撮影を両立できるカメラが欲しいと考えていて、この度α7IIIからメインカメラを乗り換えました
そこで今回は、これから「SONY α7IV(ILCE-7M4)」を買おうか悩んでいる方に向けて、実際に「SONY α7III」から乗り換えて実際に感じた良かったところ・デメリットを紹介します
最初に結論から述べておくと、α7IVを購入してめちゃくちゃ満足しています。気に入った点は本当にたくさんあるのですが、簡単にまとめると以下の3つです

「SONY α7III」と比べると、動画性能・撮影時の使いやすさが非常に進化したカメラだと感じます
- シネマティックな4Kが撮れる:4Kスロー・手ぶれ補正の進化
- 色味のバリエーション・カスマイズがしやすくなった
- ボディの使いやすさが抜群に改善:バリアングル・綺麗なEVF・動画と写真の独立設定
30万円という金額は確かに高いですが、50〜80万円ほどのフラッグシップモデルと比べても遜色のない機能を持っていると考えれば、「SONY α7IV」は非常にコスパが良いカメラと言えるかと思います

欠点がほとんどなく、全体的に平均点を大きく超える機種なので、初心者の方にも最高の相棒になりますよ
これまでα7IIIを使ってきた目線で感じたことをまとめていますので、以下のような方は特に参考になると思います
- α7IVとα7IIIのどっちを買おうか悩んでいる方
- α7IIIから乗り換えを検討されている方

\ これまで書かせていただいたレビュー記事 /
SONY α7IVで撮影した実際の作例
紹介に入る前に「論より証拠」ということで、まずは簡単に「SONY α7IV」で撮影した作例(写真・動画)を見ていただければと思います

4枚の写真と1つの動画作例を用意してみました
SONY α7IV|作例写真
「SONY α7IV」では、JPEGの色味を自由にカスタマイズできる「クリエイティブルック」が搭載されていて、JPEG撮って出しの時点でRAW現像をしたような写真を簡単に撮ることができます


シャドウ・彩度・フェードなど、それぞれ19段階で調整できるので、一般的なカメラのピクチャーエフェクトとは別次元の調整のしやすさがあります!
また明暗差のある撮影シーンでもすごく撮りやすい印象で、特にこれまで「SONY α7III」のファインダーや背面モニターは、白飛び・黒潰れが目視しづらかったのですが、「SONY α7IV」ではどちらも改善されています


特に黒潰れしているかの目視確認ができるようになったのは個人的には大きなポイントです!
暗所のノイズ耐性も「SONY α7III」と同じく非常に強い印象。ISO 3200で撮影した以下の写真も特にノイズは気にならないかと思います


画素数が上がっていることを考えると「SONY α7IV」のノイズ耐性が進化していると言えそうですね
「SONY α7IV」で進化した点の一つがバリアングル液晶。縦構図撮影でも体制を崩さずに簡単に撮ることができます


風で揺れるコスモスになるべく近づいて撮っていたので、バリアングルの恩恵をすごく感じました!
SONY α7IV|作例動画
写真の次は動画の作例紹介です。こちらは「SONY α7IV」の4K60pを利用して、2.5倍スローモーション撮影をした動画です
カメラ:SONY α7IV(ILCE-7M4)|レンズ:FE40mm F2.5G

やっぱりスローモーションで撮ると、日常の風景も一段とシネマティックに映りますし、4Kだとリアリティが違うと感じます
以上で作例紹介は終わりにして、次はスペックのおさらいをしていきます

SONY α7IVのスペック|α7IIIとの違い
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ここでは「SONY α7IV」の主なスペックについて機能と外観に分けて紹介します。詳しいスペックについては公式サイトでも紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください

SONY α7IIIから進化した点が盛り沢山です!
SONY α7IIIとの違いまとめ(詳細)
比較項目 | SONY α7IV | SONY α7III |
販売価格 | 30万円 | 17〜25万円程度 |
発売日 | 2021年12月 | 2018年3月 |
ボディの違い | バリアングルモニター 設定:写真と動画で独立 CF Express+SD | チルト式モニター 設定:写真と動画で共通 SDカード2スロット |
性能の違い | 画素数:3300万 4K撮影:24p/60p 動画記録:10bit対応 カラーサイエンス:最新 アクティブ手ぶれ補正:対応 | 画素数:2420万 4K撮影:24p 動画記録:8bit対応 カラーサイエンス:従来 アクティブ手ぶれ補正:非対応 |
おすすめな人 | 写真・動画共に 本格的に挑戦したい人 | 写真がメイン かつコストを抑えたい人 |
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α7IVとα7IIIのどっちを買おうか悩んでいる方は、α7IIIのレビュー記事もこちらで公開していますので、ぜひ併せて参考にしてください
α7IVの機能面の進化ポイント
まず初めに機能面でα7IIIから進化した点を紹介します。大きく変わったのは以下の5つです
画素数が3300万画素にアップ
比較項目 | α7IV | α7III |
有効画素数 | 3300万画素 | 2400万画素 |
有効画素数 (APS-Cクロップ時) | 1400万画素 | 1000万画素 |
α7IIIの2400万画素でも正直十分だったのですが、「SONY α7IV」では画素数が3300万画素に増えたことで、よりクロップ(切り取り)の自由度が増しました

α7RIVなどの高画素機ほどデータが重たくなく、α7SIIIよりも切り取りに強いため、非常にバランスが良いカメラになっています
4K動画撮影が大きく進化
比較項目 | α7IV | α7III |
4K撮影 | 24p/30p/60p | 24p/30p |
記録モード | 8bit/10bit | 8bit |
「SONY α7IV」では、4K60pに対応したことで4Kでもスローモーション動画が撮れるようになりました
さらに、滑らかな色階調で記録できる4:2:2 10bit撮影に対応したため、精細かつ色が豊かな4K動画を撮ることができます

α7IIIと比べると本当に色々な進化を遂げているのですが、特に動画性能については最も進化が大きい部分だと思います
手ぶれ補正がより強力に進化
比較項目 | α7IV | α7III |
手振れ補正 | 5.5段 | 5段 |
アクティブ手ぶれ補正 (動画時の補正) | 対応 | 非対応 |
手ぶれ補正は5.5段に進化していて、これに加えて動画撮影時にはアクティブ手ぶれ補正に対応しました
アクティブ手ぶれ補正はSONY純正レンズとの相性が特に良くて、歩きながら撮ってもジンバルが要らないほどに滑らかに撮影することができます

手ぶれ補正性能は後ほど詳しく紹介します!
ブリージング補正機能が追加
ブリージング|ピント位置を変える動作に伴って、画角が変わってしまう現象のこと
ブリージング補正は、主に動画撮影に便利な機能で「SONY α7IV」では、ブリージングの発生をカメラ内部で補正することができます
比較項目 | α7IV | α7III |
ブリージング補正 | 対応 | 非対応 |
実はこの機能はα7SIIIやα7RIVなどの上位機種にも搭載されていないため、α7IVの強みの一つと言えます

SONY純正のレンズは特に他社よりもブリージングが大きいので、動画撮影をする方は重宝する機能だと思います!
なお、ブリージング補正ができるレンズはSONY純正レンズの一部です。対応するレンズについてはこちらの記事でまとめていますので、気になる方はチェックしてみてください
フラッグシップモデルで話題の色味が搭載
「SONY α7IV」では、「クリエイティブルック・ピクチャープロファイル」が刷新されていて、これまで上位機種のみが対応していた新しいSONYの色味で撮影できるようになりました

特にクリエリティブルックは評判が高く、これだけでRAW現像はいらないと言われるほどに細かく表現を追い込むことができます!
- クリエイティブルック
彩度・シャドウ・ハイライト・コントラスト・シャープネスなど細かく調整して撮影できる - ピクチャープロファイル(PP)
動画撮影時のダイナミックレンジ・色域などをパターンから選択できる
クリエイティブルック
用意されたプリセットパターンの中から選択することもできる上に、RAW現像で行うような自分好みの細かな調整をパターンに登録しておくことも可能です

フェード・明瞭度・コントラストなどを10段階以上の細かな刻み値で設定できるので、RAW現像をしなくても理想の色味を出すことができるのがすごく便利です…!

僕自身、お仕事でα7IVとα7IIIを併用しているのですが、α7IVの色味をα7IIIではどうやっても再現できないので、逆に困ってしまっています…笑
ピクチャープロファイル
従来はフラッグシップモデルにしか搭載されていなかった「S-Cinetone」が追加されました
「S-Cinetone」ではコントラストが抑えられつつ、色が強過ぎない程度に乗るのが特徴で、無編集でもまるで映画のような仕上がりにすることができます

映画で使われる業務用カメラをモチーフにした色味なので、僕たちが普段から見慣れている色合いと差別化できるつつ、簡単に撮れるのがポイントですね!
設定名称 | 特徴 |
PP1 | ピクチャープロファイルを使用しないときの標準設定(動画用) |
PP2 | ピクチャープロファイルを使用しないときの標準設定(写真用) |
PP3 | [ITU709]ガンマを用いた自然な色合いの撮影をする際に使用する |
PP4 | ITU709規格に忠実な色合いで撮影する際に使用する |
PP5 | [Cine1]ガンマを用いた撮影する際に使用する |
PP6 | [Cine2]ガンマを用いた撮影する際に使用する |
PP7 | [S-Log2]ガンマで撮影する際に使用する |
PP8 | [S-Log3]ガンマと[S-Gamut3.Cine]で撮影する際に使用する |
PP9 | [S-Log3]ガンマと[S-Gamut3]で撮影する際に使用する |
PP10 | [HLG2]ガンマと[BT.2020]カラーモードで撮影する際に使用する |
PP11 | [S-Cinetone]ガンマと[S-Cinetone]カラーモードで撮影する際に使用する |
以上、ここまでが機能面に関する簡単なスペック紹介でした
SONY α7IVのボティ外観の特徴
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では続いては、「SONY α7IV」のボディ外観の特徴についてみていきましょう。特徴的なポイントは以下の7点です

フラッグシップモデルよりも使いやすい工夫がたっぷりで、本当に使いやすくなりました!
大きさ・重さはほぼSONY α7IIIと同じ

比較項目 | α7IV | α7III |
大きさ | (幅)131.3mm (高さ)96.4mm (奥行)79.8mm | (幅)126.9mm (高さ)95.6mm (奥行)73.7mm |
重さ (本体のみ) | 約573グラム | 約565グラム |
「SONY α7IV」の大きさ・見た目はα7IIIとほぼ同じ。やや分厚くなったかな?と思うくらいで使っている感じでは特に違いを感じません

他社のフルサイズと比べるとボディがひとまわり以上小さいので、持ち運びが便利な点がSONYの強みに感じますね
また重さはα7IIIとほぼ同じですが、グリップが大きくなったことで体感としてはむしろ軽く感じます。SONYは軽いレンズも充実しているので、1キロ未満の軽量構成が組みやすいのも便利なところです

α7IIIと比べるとバッテリーが入っていないんじゃないかと思うくらいにα7IVの方が軽く感じます(笑)
握りやすくなったグリップ
比較項目 | α7IV | α7III |
グリップ | 深くて握りやすい | 少し小さい (小指がはみ出す程度) |
従来モデルのα7IIIと大きく違う点のひとつはグリップの大きさ。α7IIIよりもグリップが深く作られていて、男性でもしっかりと握り込める形状に進化しました


α7SIII・α7RIVと同じグリップ形状です!重たいレンズでも体感として軽く感じますね〜
バリアングルモニター搭載

比較項目 | α7IV | α7III |
背面モニター | バリアングルモニター (自撮り・縦構図対応) | チルト式モニター |
「SONY α7IV」では、α7無印シリーズではじめてバリアングル背面液晶モニターに対応しました
α7IIIのチルト式モニターは、縦構図や自撮り撮影ができないといったデメリットがあったのですが、α7IVではすべて解消されました

写真・動画設定の切り替えスイッチが搭載
「SONY α7IV」では、フラッグシップを含めて初めて動画と写真の設定を切り替える外部スイッチが搭載されました
写真・動画の設定を完全に独立して設定できる上に、設定を一瞬で呼び出すことができるため、非常に便利だと感じます

これまで動画・写真の設定が引き継がれてしまうことで起きていた設定ミスがなくなります!!


露出ダイヤルが無くなり自由設定が可能に

従来のαシリーズでは、カメラ上部に露出ダイヤルが付いていましたが、このダイヤルはマニュアル撮影時には何も操作を割り当てできないため、不満の意見もちらほら見かけられました
これに対して、「SONY α7IV」では露出ダイヤルに自由な設定を追加できるように進化し、設定の自由度が改善されています


僕の場合は、マニュアル時にはホワイトバランスを瞬時に変えられるように割当しています!
ダイヤルは自由にカスタマイズ可能
マニュアルモーモードとそれ以外の設定で、別々の設定をダイヤルに割り当てることができます


マニュアル以外の場合は露出設定、マニュアルの場合は任意の設定とすることができます!
電源OFF時にシャッターを閉じる機能が追加

「SONY α7IV」では、電源OFF時にシャッターを下ろすことができるようになり、これによってイメージセンサーへのホコリ・ゴミの混入を防止することができるようになりました

屋外でのレンズ交換などではセンサーにゴミが入らないように細心の注意を払う必要がありましたが、多少は気にせずに作業ができそうですね
CFexpressカードに対応
比較項目 | α7IV | α7III |
メモリーカード | SDカード CFexpressカード | SDカード |
「SONY α7IV」では、α7無印シリーズで初めてCF expressカードに対応しました
これによって、4Kスローモーション・オールイントラ撮影はもちろん、高速連写時の硬直時間をより短く抑えることができるようになっています


なお、ビデオスピードクラスV60以上のSDカードであれば、α7IVのすべての撮影で利用可能ですので、必須アイテムではない点は押さえておきましょう!
「SONY α7IV」にぴったりなメモリーカードの選び方はこちらの記事で紹介していますので、気になる方はぜひ参考にしてください
以上、ここまでがざっくりとした「SONY α7IV」のスペック紹介でした

SONY α7IVレビュー:使ってみて良かったところ

ではようやくここからが本題です!このパートでは、「SONY α7IV」を実際に使ってどんな点が良かったのかといった点について、個人的にすごく気に入った7つのポイントを紹介します

写真・動画どちらも撮影する僕にとって、α7IVは「クオリティの高い作品を手間をかけずに量産できる」素晴らしい相棒だと感じています
それでは以降で、ひとつずつ紹介していきます
撮っていて気持ち良いビルドクオリティ
1つ目は使いやすさの観点から。「SONY α7IV」は、先ほど紹介した外観面の進化によって、撮っていて本当に気持ちの良いカメラになったと感じます
- グリップ:深く握り込める形状に進化して、重いレンズでも疲れにくい
- 背面モニター:バリアングルで縦構図や自撮りが便利
- ファインダー(EVF):視野角が広くなった・120fpsだとほぼ肉眼レベル

α7IIIはこの辺が特に微妙だったんですよね。これらがすべてα7IVでは改善されていて、本当に嬉しいポイントです
α7IIIで撮影する際には小指がグリップからはみ出してしまうので、中指・薬指の先端に圧がかかることで痛くなることがしょっちゅう起こっていました

一方で、「SONY α7IV」では全くその事象は起きておらず、ストレスレスな撮影ができるようになったのが個人的に非常に嬉しいポイントです


α7SIII・α7RIVでは、すでに採用されていて本当に羨ましかったので、非常に嬉しいポイントでした
ファインダーについては、一眼カメラの中でトップレベルの視野角広くなったので、僕のようなメガネをかけて撮影する人にも撮りやすいです
また、フレームレートを120fpsまで引き上げられるため、電子ファインダーを見ている感覚よりも、肉眼に近い臨場感を感じながら撮影することができます


α7IIIではフォーカスを合わせた際に起きていたチラつきや、シャドウ潰れもα7IVではしっかり改善されています!
4Kスローモーション・10bit動画撮影はクオリティが一味違う
使って良かった感じる2つ目のポイントは動画撮影のクオリティで、ここが僕がα7IVを購入しようと決心した一番のポイントでした
「SONY α7IV」では、4Kで2.5倍スローモーション・色諧調が豊かな10bitで記録できるようになり、映像の表現の幅をグッと広げることができるようになっています
実は、SONYカメラの中で「4Kスローモーション・10bit撮影」に対応しているのは、フラッグシップ機のα1とαS7III、そしてα7IVだけですので、本当にコスパの良いカメラとなっています

ハイスペックな動画撮影と写真の両立ができて、それで30万円で買えちゃうのは本当にスゴイ!
ジンバルがなくても滑らかな動画が撮れる
さらに動画の話は続きます。3点目は手ぶれ補正の強さ。
動画撮影をする上で「意図しない手振れ」は素人っぽい印象を与えてしまうのですが、α7IVの場合は手持ちでもほとんど手振れが目立ちません
5.5段分のボディ内手ブレ補正+アクティブ手振れ補正に対応

こちらの動画は割とラフに歩いて撮影したものですが、ジンバルを用意しなくてもかなり手振れを抑えられると思います!
重いジンバルは荷物にもなりますし、パッと撮りたいタイミングで手振れを抑えた撮影ができるため、これまで撮り逃がしていた撮影シーンもしっかりと収めることができるとおもいます
クロップをガンガン多用できる
使って良かったと感じる4つ目は、画質の劣化をさほど気にせずにクロップ(切り取り)ができること
「SONY α7IV」は3,300万画素。画素数に余裕があるため、大胆なクロップを行っても画質の破綻が少なく、編集の自由度が高いです
特に、標準機能のAPS-Cクロップを使えば、手軽に焦点距離を1.5倍に伸ばすことができますので、レンズ交換の手間を省いたり、持ち運ぶレンズを少なくできます
- APS-Cクロップ|APS-Cの画角相当に切り取りして撮影することで、焦点距離を1.5倍伸ばして撮影できるモード

JPEG撮って出しのクオリティが高い
良かったと感じる5つ目は、撮って出しから高いクオリティのJPEGに仕上げられること
新たに追加されたクリエイティブルックによって、RAW現像で行うような細かな設定を事前に仕込めるため、撮って出しでかなりクオリティを追い込みやすくなりました

個人で発信をしていく現代においてスピードは非常に大事ですので、撮って出しでもそのまま使える写真が撮れるカメラは、クリエイター活動を行う上では欠かせないアイテムだと思います


この辺りはFUJIFILMが上手なイメージですが、RAW撮影時のリッチな階調も両取りしたい贅沢な方にとっては、α7IVは理想のカメラになると思います
写真・動画の個別設定が超便利
外観編でも少し触れましたが、「SONY α7IV」では写真・動画の設定を完全に独立して管理でき、さらにカメラ上部の切り替えスイッチで一瞬で呼び出すことができます


SONY α7IIIでは、残念ながら動画と写真の独立設定ができなかったため、ピクチャープロファイル・シャッタースピード・フォーカスモードなどを、いちいち手動で設定し直す必要がありました
「SONY α7IV」では、写真と動画をハイブリッドで撮る場合でも設定ミスを格段に減らすことができるようになっていますので、これから動画も始めてみたいと思う人には最高のカメラだと思います
メニュー画面も刷新
これまで評判が低かった使いづらいメニュー画面も刷新されていて、どこになんの設定があるのかがパッと分かりやすくなったのも嬉しいポイントです

以上が、「SONY α7IV」を実際に使ってみて良かったと感じる7つのポイントの紹介でした。

SONY α7IVレビュー:デメリットだと感じたところ

使っていて本当に便利だと感じるところが多い「SONY α7IV」ですが、多少なり気になるデメリット面もありましたので紹介します。主にデメリットだと感じた点は以下の4つです
4Kスローモーション時の強制クロップが使いづらい
「SONY α7IV」を使って最も使いづらいと感じるのが、4Kスローモーション(4K60p)での強制APS-Cクロップ事象です

APS-Cクロップとアクティブ手振れ補正で、約1.7倍の焦点距離を使うのと同じほどの画角の狭さになってしまいます

4K60p撮影時:1.5倍クロップ × アクティブ手ブレ補正時:約1.15倍クロップ
そのため、4Kスローモーション撮影時には広角気味のレンズを用意する必要があり、ここがデメリットに感じる方はいるかと思います

定常的に4K60pで撮影したいといった方は、使いづらいと感じるかもしれません
とはいえ、僕の場合はスローモーションをクローズアップで撮ることが多いため、実際にスローモーション動画においてはあまり実害がないのが正直なところです

逆に1本のレンズで焦点距離を伸ばせるため、レンズ交換の手間を省ける点ではむしろメリットかもしれません
動画撮影時の熱問題
これは「SONY α7IV」以外のフラッグシップモデルでも言われていることですが、やはり動画撮影時の熱問題は避けては通れぬ点のようです
長時間にわたって撮影した場合、カメラ内部に熱が溜まることで電源が自動OFFになることが稀に発生します
なお、対策として以下の2つを行うことで1時間以上の連続撮影が可能でしたので、動画撮影時には注意しておくと良いかと思います
- 設定で「自動電源オフ設定(高)」に変更する
- 撮影時はバリアングルモニターを開いておく


1時間も撮影しっぱなしというのはあまりないとは思いますが、Youtube撮影やWeb会議では気にしておく必要がありそうです
4K120Pスローモーションを撮りたい
「SONY α7IV」は4K120p撮影に非対応のため、5倍スローでの撮影を行う際はHD画質で撮ることになります
- HD画質であれば120p撮影が可能です。編集時に4K引き伸ばしをすることで、4Kのタイムラインで作業することもできます

ここはフラッグシップ機(α1・α7SIII)との差別化ポイントだと思いますが、欲を言えば対応して欲しかったなぁと思うところです
とはいえ、120pの撮影機会は60pと比べれば少ないですし、4K120pのためだけに50万円以上するフラッグシップ機に乗り換えるかといえば微妙なところ
そう考えると、「SONY α7IV」がちょうどバランスが良いと言えるかと思います
フルサイズ入門機にしては値段が高い
従来はSONYフルサイズ入門機としての位置付けだったα7無印シリーズですが、「SONY α7IV」はボディのみで約30万円と高めの価格設定になっています
ただし、「SONY α7IV」はこれまでのα7無印シリーズとはコンセプトが異なり「高水準の性能を継承したモデル」となっています
そう考えれば、むしろコストパフォーマンス観点ではかなりお得なモデルと捉えることができます

α7SIII(45万円)の動画性能・α1(80万円)の写真性能の中間のような位置付けですからね
とはいえ、初心者の方に最初におすすめするには厳しい価格なのも事実ですので、「フルサイズデビューをしたいけど、α7IVは予算的に厳しい」という方は、売値が下がりつつあるα7IIIを使用されるのも良いのかもしれません


特に動画はそこまで撮らないよという方は、α7IIIでも十分満足できると思います
以上が、実際に使っていて感じた「SONY α7IV」のデメリット4点でした
SONY α7IVと一緒に買っておくと便利なもの

最後に、これから「SONY α7IV」を購入しようと考えている方に向けて、α7IVと一緒に買っておくと便利なものをリストアップしましたので紹介します

カメラ買い替えの機会はそう多くはありませんし、α7IVならではのアイテムも紹介していますので、ぜひご検討の方はチェックしてみてください
メモリカードや保護アクセサリー
「CFexpressカード」対応や4K60p動画記録対応など、「SONY α7IV」ではメモリーカード選びも従来の基準とは変わってきています
その他、背面モニター保護シートなどおすすめアクセサリー類を以下にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください
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交換レンズ(Eマウント)
充実したレンズラインナップはEマウントの最大の強みです。特にEマウントでは、コンパクトなレンズやコスパの高いサードパーティレンズがすごく充実していて、選択の自由度が非常に高いです
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以下の記事では、10万円以下またはサードパーティの中でも僕がイチオシしている「Tamron(タムロン)」のおすすめレンズをまとめています

これまでレンズを20本近く使っていますので、体験談がお役に立てれば幸いです!
α7IVレビューまとめ:クオリティの高い作品を手間をかけずに量産できる

今回は、「SONY α7III」から「SONY α7IV」に乗り換えて実際に感じた良かったところ・デメリットについて紹介させていただきました
総論としてまとめると、価格こそ30万円と高価なカメラには間違いないものの、使いやすさ・フラッグシップと比べた際のコスパの良さを考えると本当に良いカメラだと感じます

作品のクオリティアップ、時短の両方を実現できるので、買って本当によかったカメラでした!
「SONY α7IV」も今後の数年間においてフルサイズミラーレスの売れ筋上位に食い込むこと間違いなしだと思いますので、気になる方はぜひ手に入れてみてはいかがでしょうか


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