SONY Eマウントの大きなメリットのひとつがサードパーティレンズが使えること
中でもタムロンレンズは「純正よりも価格が安い」上に、写りが良くて軽いレンズが多く、愛用されている方は非常に多いですよね

特に標準ズームレンズ第一世代の「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)」は、コスパ最高のレンズとしてとても有名で、僕もめちゃくちゃ愛用したレンズの一つでした
今回は、一大旋風を巻き起こした28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)の第二世代にあたる「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」をタムロンさんからお借りさせていただきましたので、使ってみて感動したポイント・第一世代との体感の違いについてお届けしていきます

結論を最初に述べておくと、このレンズは本当に素晴らしいレンズで、今からF2.8通しの標準ズームレンズを買うならベストな選択になるレンズだと感じました
- 使い勝手が改善:カスタムボタン搭載・傷に強いボディ
- 爆速オートフォーカス:SONY純正レンズ並みで、動画にも非常に強い
- 解像感・色味:絞り開放でも画面周辺まで非常にシャープ・クリアな色味
- 価格:10万円以下!(第一世代と1〜2万円程度しか変わらない)

第一世代も十分いいレンズだったのですが、AFの食いつきは動画でもバッチリ使えるレベルですし、色味もすっきりしてすごくいいレンズになったと感じます!
上記以外にも細かい使い勝手や性能面での進化が盛りだくさんのレンズになっていますので、早速本編にて紹介していきたいと思います
- F2.8通しの標準ズームレンズを初めて手にする人
- 動画と写真の両方を撮りたいと考えている人
- なるべくコンパクトなズームレンズを探している人

F2.8通し標準ズームレンズには複数ラインナップがありますが、間違いなく28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)は、コスパ最高のレンズと言えると思います!

\ これまで書かせていただいたレビュー記事 /
Tamron 28-75mm F/2.8 G2の作例(写真・動画)をチェック
ここでは「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」で撮影した作例を紹介していきます

使ってみて感じたことを一言でまとめると「とにかくどんなシーンでも使いやすい」
広角から望遠まで対応できる焦点距離、夜でも使い勝手の良いF2.8の明るさ、軽くて邪魔にならない携帯性、どれをとっても弱点がない超万能レンズだと感じます

写りも非常に良くて、我が家の単焦点レンズの肩身がどんどん狭くなるな〜と正直に感じました(笑)
ぜひ、どんな写真・動画が撮れるのかを以降でチェックいただければと思います
作例写真(広角〜望遠サンプル)
まず初めに作例写真から。広角から望遠までさまざまな画角で撮影した写真をピックアップしてみました

どれも非常にシャープかつ、ボケ感が綺麗な写真ばかりでレンズの性能の高さを感じ取れる作例になっているかと思います

F2.8, SS1/200s, ISO 800

F2.8, SS1/160s, ISO 800

F2.8, SS1/320s, ISO 100

F2.8, SS1/400s, ISO 200

F2.8, SS1/400s, ISO 200

F2.8, SS1/250s, ISO 100

F9, SS1/5000s, ISO 100
作例:ショート動画
続いては作例動画です。「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」はF2.8で大きなボケ感を出しつつ、広角から中望遠までを活かすことができるため、動画にも非常に適したレンズだと感じます
なお、今回撮影に使用した「SONY α7IV(ILCE-7M4)」は、写真と動画をハイブリッドに撮りたい方に非常におすすめのカメラになっています。気になる方はぜひ以下の記事もチェックしてみてください

4Kスローが撮れて、3000万画素で写真も撮れる、そして動画の設定を独立で設定できるめちゃくちゃ便利なカメラです!
Tamron 28-75mm F/2.8 G2:レンズスペックと外観

ここでは簡単に「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」のレンズスペックとレンズの外観のおさらいをしていきます

レビュー本編が先に気になる方は、こちらからジャンプしてください
Tamron 28-75mm F/2.8 G2:レンズスペック
まずはレンズのスペックから。「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」は、F2.8通かつ広角から中望遠までの画角をカバーする、いわゆる大三元標準ズームレンズの位置付けとなるレンズです

いろんな画角が撮れて・明るいレンズなので、室内撮影から旅行までさまざまな撮影シーンに対応することができます
焦点距離 | 28〜75mm |
F値 | 最小 2.8 / 最大 22 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
レンズ構成 | 15群17枚 |
フィルター径 | 67mm |
重さ | 540g |
最大径 × 長さ | 75.8 × 117.6 mm |
最短撮影距離 | 0.18m(広角端) / 0.38m(望遠端) |
最大撮像倍率 | 0.37倍(広角端) / 0.24倍(望遠端) |
レンズ内手ぶれ補正 | なし |
防塵防滴 | 簡易防滴対応 |
第一世代の「28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)」と大きさ・重さはほぼ同じ
ペットボトル1本分ほどの重さなので、動き回る撮影や荷物の多い外出の際にも持ち運びやすいサイズ感になっています

第一世代との主な違いとしては、最短撮影距離がさらに10cm短くなっていることで、更に寄れるレンズに進化しています

Tamron 28-75mm F/2.8 G2:サイズ感・重さ
実際にα7IVのボディに取り付けてみると以下のようなサイズ感になります

フルサイズ対応レンズの所有感を得られつつ、デカすぎず・重すぎずといっためちゃくちゃバランスの良いサイズ感です!

レンズと本体を合わせた総重量は約1.2kgほど
フルサイズで大三元標準ズームがこれだけの軽さで運用できるのは本当にスゴイことで、小型・軽量が強みのSONYの特徴を最大限に活かした機材構成だと感じます

このくらいのサイズ感だと、子供と遊びながら持ち歩くこともできますし、片手でスナップ感覚で撮影することもできますよ!
Tamronの大三元ズームレンズと並べてみると、「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」の小ささがよくわかります

広角ズームレンズとほぼ同じ大きさです!

Tamron 28-75mm F/2.8 G2:レンズ外観の特徴
第二世代レンズは特にハード面の進化がスゴイです。第一世代ユーザーの声を反映し、非常に高いビルドクオリティに仕上がっています
- 外装・操作感:キズが付きにくい外装・リングの溝も深く滑らかな操作感
- カスタマイズ性①:柔軟なカスタマイズができる外部ボタンの追加
- カスタマイズ性②:リングの回転方向や感度も調整可能
- 動画撮影にフィット:レンズが伸びにくくジンバル運用がより簡単に

特にカスタムボタンの拡張性が本当にスゴイ!
外観の特徴:キズが付きにくい材質を採用

Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)は、光沢のあるスチール感のある外装になりました
これによって、見た目に高級感が生まれるだけでなく、より傷に強く進化しています
多少雑に扱っても傷を気にすることなく使えるのが嬉しいポイントのひとつです

第一世代のレンズは材質が柔らかく、屋外でカメラを地面に置いた程度でキズがついてしまうのが個人的に気になるところでした
また、リング類の溝も深くなっていて、マニュアルフォーカスを合わせる際に力を入れずに指の側面で操作しやすいのも地味に嬉しいポイントです

外観の特徴:柔軟なカスタマイズができるカスタムボタンが搭載
Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)の大きな進化点のひとつが、カスタムボタンが追加されたことです
このカスタムボタンは「一般的なカメラ設定」を割り当てできるだけでなく、タムロンのソフト(TAMRON Lens Utility)と接続することで、さまざまな便利な機能を割り当てすることができます

- カメラボディ機能の割り当て:一般的なファンクションボタン相当
- AF/MF切り替え:フォーカスセットボタンを使って AF/MF を切り替える
- A-Bフォーカス:被写体から被写体へスムーズにフォーカスを移動させる
- フォーカスプリセット:記録したピント位置へクリック一つでフォーカスを移動する

特にA-Bフォーカスは、動画撮影のテクニックとしてめちゃくちゃ使えます!
リングの回転方向や感度も調節可能

カスタムボタンだけではなく、ピントリングについてもさまざまなカスタマイズが可能です。リングの回転方向や感度、絞りリングとしての活用なども実施することができます

回転方向や感度はレンズメーカーによって結構クセがあるので、自分の好みに調節できるのは本当に便利ですよね!

ズームリングが伸びにくくジンバル撮影で使いやすい
これは特に動画を撮影する方には嬉しいポイントです
Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)は、広角域から標準域にかけてズームしても筒が伸びにくいため、ジンバル撮影時にバランスのチューニングを最小限に抑えることができます

動画でよく使用する28〜35mmあたりまではほとんど筒が伸びないので、ジンバル運用がめちゃくちゃ楽になります!
Tamron 28-75mm F/2.8 G2:使用レビュー・感じたこと
ここからは、Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)を実際に使ってみた上で、「写りの面で気がついたこと・感じたこと」について紹介していきます

Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)を使ってみて感じたのは主に以下の3つです

サイズ感・撮影性能共にめちゃくちゃ完成度の高いレンズだと感じました。このレンズ1本でなんでも撮れちゃう…!
単焦点レンズ並みに画質が良い
Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)の性能面での進化のひとつが描写性能の改善です

第一世代のレンズを長く使ってきた僕自身、特に第一世代の画質に不満を感じたことは正直なかった たのですが、確かに第二世代は解像感・色味・ボケがすごく良くなっています
絞り開放時の解像感について
絞り開放からピントが合った部分のキレは抜群。この写真では猫ちゃんのきれいな瞳をバッチリ解像しています


画面周辺の解像力もMTF曲線を見る限りかなり良くなっていて、絞り開放でも周辺までクッキリハッキリ解像してくれていました



ここまで解像力が高いと単焦点の肩身が狭くなりますね…(笑)
色味について
レンズによっては特有の色味を持つものもありますが、Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)は、色味が素直ですごく使いやすい印象を受けます


第一世代のレンズはちょっと黄色がかった色合いになるため、苦手という声も聞くことがありましたが、第二世代はクリアな写りをしますね!
ボケについて
Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)は、ボケもすごく綺麗で、ズームレンズとは思えないくらいにクオリティが高いです

お草木の背景でもざわざわした見た目になりませんし、丸ボケも周辺まで綺麗でした


画質とひとことで言ってもいろんな尺度があると思いますが、少なからず僕には画質面でTamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)の欠点は特に感じられませんでした
ズームレンズは画質が微妙だからと言った概念はもはや過去のもので、単焦点レンズのラインナップを見直さなきゃなと考えさせられるくらいに素晴らしい性能でした

画質で感じたことは以上です!
オートフォーカスが速くて正確
続いてすごく良かったと感じたのがオートフォーカス性能です。ここは明確に第一世代との違いを感じたポイントでした
シングル・コンティニュアス共に非常に高速・正確で、かつ駆動音もめちゃくちゃ静かで、SONY純正レンズとの違いはもはや無いと言っても過言じゃ無いほどにクオリティ高く仕上がっています

第一世代では、特に動画撮影時にちょっとフォーカスが迷うかな?と感じるシーンがありましたが、第二世代では非常に優秀になりました
また、フォーカスブリージングも非常に少ないのも特徴的でした。SONY純正レンズは結構ブリージングが発生するので、Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)の方がむしろ性能が高いと言えます
どんな用途でもすごく使いやすい
すごく雑な表現になっていまうのですが、Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)は本当に欠点らしい欠点がなく、どんな用途にもすごく使いやすい印象です
具体的に便利だと感じたシーンは以下の通り。これだけ用途が幅広く、画質も良くてフォーカスも早いので、写真・動画どちらにも高いレベル活躍するレンズだと感じました
- テーブルフォト:寄れるので仰け反らずに撮影できる
- 室内撮影:広角端(28mm)で広く撮影できる
- 物撮り:望遠端(75mm)で歪みなく撮影できる
- 前景・背景ボケが欲しいシーン:望遠端・F2.8で滑らかなボケを出せる
- 夜景:F2.8でISOを上げすぎずに十分対応できる
- 動画撮影:オートフォーカスが非常に早くブリージングも小さい

星空撮影や超広角・超望遠以外の用途では、すべてこのレンズ1本で対応できちゃいます!
気になったところ
ここまでTamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)を褒めちぎってきましたが、欠点とは言えないまでもすこし気になったところに触れていきます
周辺減光・歪みはやや発生する
周辺減光・歪みは結構出る印象を受けます。ただし、カメラ内部の補正やRAW現像時にレンズプロファイルを当てることでこれらは解消できるので、実態としては影響は無いと言えます
周辺減光(画面の四隅に注目)


左:補正なし / 右:補正あり
歪み(糸巻き型の歪みが出る)


左:補正なし / 右:補正あり

小型化のため、最近のレンズはカメラの内部処理で補正するのが主流のようです。実害がなければ特にいいやというのが僕の考えです
USBの接続口が剥き出しで心配になる

2つ目の気になる点は、USB Type-Cポートが剥き出しな点です。タムロンのソフト(TAMRON Lens Utility)と接続するためのポートなのですが、蓋が付属しないので埃や水滴がダイレクトに侵入する可能性があります

タムロンさんからは防塵防滴加工が施されているため、実害はないらしいのですが心配になりますよね
気になる方は、USB Type-C用の保護カバー・キャップが市販で購入できますので、取り付けておきましょう

以上がTamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)を使って気になった点の紹介でした

正直、どちらも実害はないため、特にデメリットに感じる方は少ないかと思います
Tamron 28-75mm F/2.8 G2がおすすめな人
SONY EマウントでF2.8通しの標準ズームレンズには、大きく以下の4つラインナップされています
レンズ選択に悩む人も多いかと思いますので、最後にTamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)がおすすめなのはどんな人?といった点について触れていきます
- Tamron(第一世代):28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)(7万円〜)
- Tamron(第二世代):28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)(9万円〜)
- SIGMA:24-70mm F2.8 DGDN Art(11万円〜)
- SONY:FE 24-70mm F2.8 GM(24万円〜)
正直どれも素晴らしいレンズには違いないのですが、コスパ(性能面・価格バランス)を追い求めていくと、以下がベストな選択肢になると思います

SIGMAレンズはタムロン第二世代レンズより価格がやや高く、リングの向きがSONY純正レンズと逆といった特徴があるので、好みが分かれそうです
これから動画を撮る方は第二世代がおすすめ

これから動画を撮りたいと考えている方は、第二世代:28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)がおすすめです
第二世代で追加された機能は何方かと言えば「動画に適した改善内容」が多く、加えて第一世代と比べて1〜2万円ほどしか価格が変わらないのであれば、第二世代を選択するのがベターな選択かと思います
- オートフォーカスが早くて正確
- ズーム筒が伸びづらく、ジンバル運用がラク
- ブリージングが出づらい
- カスタムボタンでピントの自動送りなどが可能

動画を撮る方なら第二世代がコスパ最高の選択になりますよ!

写真メインなら第一世代がおすすめ

一方で、写真メインで撮影される方は、第一世代:28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)がおすすめです

第二世代は画質の改善がされているものの、写真においてはそこまで違いに気づけるかと言えば微妙なところですので、コスパ観点では第一世代が勝ると思います
第一世代のレンズも写り自体のクオリティは十分に高いため、特に写真撮影では困ることはないかと思います
第二世代と比べると2万円程度安い上に、サイズや重さはほぼ同じ・F2.8通し・画角も同じ・フォーカスは写真撮影においては問題なしのレベルです

第一世代もバリバリ現役で活躍できる性能です!みなさんの撮影スタイルに合わせてベストな選択をしていただければと思います

まとめ:Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2はコスパ最高の標準ズームレンズ

「Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」は、第一世代の欠点を完璧にカバーした非常に使い勝手の良いレンズでした
軽くて・明るくて・画角が広くて・動画にも写真にも使えるオールラウンダーで、それでいて10万円以下で買えるため、これから動画にもチャレンジしていこうと考えている方には非常にピッタリなレンズです

あまりの写りの良さに単焦点レンズの必要性を考え直すくらいに素晴らしいレンズでした
レンズ交換をする暇がないシーンでもシャッターチャンスを逃さずに撮影できる上に、F2.8なら夜でもバッチリ使えるため、ぜひ標準ズームレンズが1本欲しいと考えている方は検討されてみてはいかがでしょうか


この記事の内容は以上です。ご感想・コメント等がございましたら、ページ下部のコメント欄をご活用ください!(品質向上・励みになります)
\ これまで書かせていただいたレビュー記事 /