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今回は、2021年はじめにTamronから発売されたAPS-C向けレンズ「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」をレビューをしていきます
このレンズの最大の特徴は、フルサイズ換算で25〜105mmの広いズーム域を持ちつつ、F2.8通しで使えること

一般的にこの画角はF4通しで実現されることが多い中で、F2.8通しで使えるお化けスペックになっています
実際に1ヶ月近く使ってみた感想としては、写り・使いやすさの両面で満足度が非常に高く、サイズ感が許容できるなら文句なしの素晴らしいレンズの一言に尽きます

F2.8で広角から中望遠まで撮れるのが便利すぎて、レンズ交換の必要性を感じさせないスゴイレンズです
ここまでのスペックにも関わらず、価格は8万円台と比較的リーズナブルな点も特徴の一つです

APS-Cレンズとしてはやや高い部類ではありますが、レンズスペックを考えれば十分にコスパが高いレンズと言えます
単焦点レンズにも負けず劣らずの高いクオリティで、作品撮りやクライアントワークにも十分に活用できるレンズとなっています。ぜひこの記事を参考に検討いただければ幸いです

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Tamron 17-70mm F2.8(Model B070)|レンズスペックと外観

「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」は、APS-Cカメラに対応した標準ズームレンズで、SONY Eマウントモデル・FUJIFILM Xマウントモデルが販売されています

画角が1.5倍クロップされますが、SONYのフルサイズ機でも使用することができます
レンズスペック
特筆すべき点は、F2.8通しながら17〜70mm(フルサイズ換算で25〜105mm相当)のズーム域をカバーすること
これだけ広いズーム域をF2.8通しでカバーするレンズのは世界初となるため、巷では非常に話題と評判を集めたレンズとなっています
レンズ名称 (略称) | 17-70mm F/2.8![]() |
実売価格 | 8万円程度 |
焦点距離(フルサイズ換算) | 17-70mm(25-105mm) |
F値 | 最小 2.8 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
レンズ構成 | 12群16枚 |
フィルター径 | 67mm |
重さ | 525g |
最大径 × 長さ | 74.6 × 119.3 mm |
最短撮影距離 | 0.19m(広角端) / 0.39m(望遠端) |
最大撮像倍率 | 0.21倍(広角端) / 0.19倍(望遠端) |
レンズ内手ぶれ補正 | あり |
防塵防滴 | 簡易防滴対応 |
また、タムロンらしく非常に寄れる点も評判を集めるポイントで、テーブルフォトのようなカジュアルな使い方から、中望遠を使ったボケ味を活かした撮影まで幅広く活躍するズームレンズです

APS-C機はカメラ側に手ぶれ補正が搭載されないことが多いため、レンズ内手ぶれ補正が付いている点もすごく嬉しいポイントですね
レンズの外観・操作感
ここからはレンズの外観や操作感について触れていきます。まるっと知りたい方は動画も用意しましたので、ぜひチェックしてみてください
\ 動画でもチェックできます /
レンズの質感・ビルドクオリティ
質感はマットな材質でサラサラとした触りごごちが印象的です。外部ボタンやスイッチ類は無く、フォーカスリングとズームリングのみのシンプルな作りになっています

従来からのタムロンレンズらしいフォルムと言えますね


タムロンのシンプルな見た目が好きな人も多いと思います
APS-Cレンズにしてはサイズは大きい
APS-Cレンズといえば「小さくて軽いイメージ」を持たれる方も多いかと思いますが、「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」のサイズ感は正直フルサイズと遜色ないレベルです

規格外のスペック重視レンズということもあり、小型・軽量はある程度割り切ったレンズと言えますね

- 左:フルサイズ用レンズ「SONY FE 24-105mm F4 G OSS」
- 右:APS-C専用レンズ「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」
フルサイズカメラに装着してみると、なんともちょうどいいバランス感なのですが、APS-C機ではレンズの大きさを感じやすいかもしれません


とはいえ、標準ズームレンズよりも広い画角をカバーするレンズですから、交換レンズ分を含めるとトータルでは軽量とも言えるかもしれないですね
ズームリングは滑らか&動画にも配慮
ピントリング・ズームリングの操作感は非常に滑らか。廉価なレンズだとリングを回した際に乾いた擦れ音がしたり、回転に力が必要な場合がありますが、このレンズは細部の作りにまで使用感へのこだわりがみてとれます

また、ズームリングは焦点距離35mm(フルサイズ換算:52mm)程度までは、ズームをしても筒があまり伸びません
これは特に動画撮影では嬉しい配慮で、ジンバルなどに乗せた際のリバランスも最小限に留めることができます


レンズ内手ぶれ補正も搭載されていますので、動画にもしっかり配慮したレンズ設計がされています
フィルター径は安定の67mm
SONYやタムロンレンズではお馴染みのフィルター径67mmに対応しているため、他レンズで使っているプロテクトフィルターやNDフィルターを使い回すことができます

特にNDフィルターは決して安い買い物では無いので、使いまわせるのは嬉しい配慮ですよね

以上、ここまでがレンズのスペックと外観の紹介でした

APS-Cにしてはやや大きめのサイズ感ではあるものの、唯一無二のズーム域とF2.8通しのスペックに魅力を感じる方には非常におすすめのレンズです

Tamron 17-70mm F2.8の作例
スペックや外観について触れたところで、実際に撮影した写真の作例をご覧ください

フルサイズ機「SONY α7IV」に装着して、1.5倍クロップの状態で撮影しています

F7.1, SS1/40s, ISO 125

F5.6, SS1/160s, ISO 250

F4.0, SS1/200s, ISO 100


F2.8, SS1/125s, ISO 200

F2.8, SS1/400s, ISO 640

F2.8, SS1/400s, ISO 1250

F2.8, SS1/125s, ISO 200

焦点距離 17mm, F2.8, SS1/1600s, ISO 100

焦点距離 70mm, F2.8, SS1/1600s, ISO 100
実際に作例を撮影した際は、風で大きく揺れるコスモスをAFで追いかけたり、暗い環境で撮ったりと、決して簡単ではない環境でしたが、このレンズの性能にあやかって難なく撮影することができました
AFが早く、寄れる、ズーム域も広くて、F2.8通しで暗いシーンにも強い、と言った感じでストレスなくサクサク撮らせてくれるので、とりあえずキチンとしたレンズを1本欲しいという方に非常におすすめです

Tamron 17-70mm F2.8(Model B070)レビュー|メリット面

ここでは実際に「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」を1ヶ月程度使ってみて感じた良い点(メリット面)をまとめます
レンズ交換を最小限に抑えてくれる
家族との旅行や、友人とのお出かけなど、自分のペース通りに時間を使えないシーンではレンズ交換をしている時間が惜しくなる時もありますよね
僕自身、家族とのお出かけや子供との散歩にこのレンズを持ち出していたのですが、レンズ交換をしなければ!と感じるシーンがほぼ無いくらいに汎用性が高く、体感上9割以上のシーンではこのレンズ1本で撮影することができました

その分シャッターチャンスを最大限に活かすことができるので、撮れ高を逃さないレンズと言えますね!
ズーム域はほとんどの撮影シーンをカバー
「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」は広角側は一般的な標準ズームレンズとほぼ同等の広さである一方で、望遠側に長い作りになっています
ズーム域 (焦点距離) | 17-70mm F/2.8![]() | SONY純正標準ズーム![]() |
広角端 (フルサイズ換算) | 17mm(25mm) | 16mm(24mm) |
望遠端 (フルサイズ換算) | 70mm(105mm) | 55mm(82mm) |

特にこの望遠側の存在は大きくて、ポートレートで大きなボケ感を作ったり、物撮りでなるべく歪みを抑えて撮影する際に非常に重宝します
広角端(17mm)で撮影

望遠端(70mm)で撮影


これだけのズーム域をF2.8通しで使えるのは本当にスゴイ!
日没後も強気に持ち運べる
僕は普段から標準ズームは「SONY FE 24-105mm F4 G OSS」を使うことが多かったのですが、やっぱり夜間はISO感度が上がりすぎてしまうため、明るい単焦点レンズを併用していました
一方で、F2.8ともなると夜でも実用的なISO感度(個人的には3200以下)に抑えられることが多いため、暗いシーンでも安心して持ち出すことができます


この写真を撮ったときは、外はかなり暗くなっていたのですが、ノイズをさほど気にせず撮影することができました
近接用の交換レンズも不要
「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」はびっくりするほど寄って撮影することができるため、テーブルフォトで仰け反って撮ることになるようなこともなく、ストレスレスで使用することができます


描写性能で不満を感じることは一切なし
サードパーティ製レンズとなると、純正レンズと比べてどこか性能に欠点が無いかと不安になりますよね
実際に「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」を使ってみて感じた結論としては、写り(描写やAF)に関する欠点は一切感じられず、用途を選ばずに活用できる素晴らしいレンズだと感じます

できることが多すぎて本当に便利なレンズです!
解像感・ボケ感・逆光耐性すべて高いクオリティ
レンズの中央部は絞り開放でもしっかり解像していますし、絞れば周辺も含めてしっかり解像してくれますので、ズームレンズとしては非常に実用的で高いレベルの写りだと感じます

広角・絞り開放(F2.8)撮影

広角・絞り開放(F5.6)撮影


絞り開放から描写はキレキレだと感じます!
また、ボケ感も綺麗で、画面周辺まで玉ボケがしっかり円形を保ってくれます。この辺りにもクオリティの高さを感じることができます


多少、年輪状の輪郭が見えますが、これもまた味のひとつですね
逆光耐性も非常に優秀。こちらはあえて、強い太陽光を入れた写真ですが、フレアやゴーストが盛大に乗るようなことはありませんでした


全体的に描写性能はすごく高いクオリティですね
オートフォーカスは安定の爆速
SONY Eマウントでのオートフォーカスの使用感は、純正レンズと大きく違いを感じないほどに爆速で快適です

システム自体はひと世代前のモーター式となっていますが、だからといって特にAFが迷うようなことも少なく、なんら不満を感じることはありませんでした
\ 実際のAF速度は動画でチェック /
以上が実際に使ってみて良かったと感じる点の紹介でした
広いズーム域・寄れる・暗所に強い・高い解像感など、基本的な性能が非常に高く、レンズ交換の必要性をほぼ感じさせないほどに汎用性の高いレンズです

APS-Cカメラを購入して最初の1本目に悩んでいる方や、キットズームレンズに不満を感じている方にはかなり刺さるスペックかと思います
Tamron 17-70mm F2.8(Model B070)レビュー|デメリット面

全体的にはほぼ不満なしの「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」ですが、ここでは、購入前にチェックしておくとギャップが少なくて良いかなと感じたポイントを紹介したいと思います
手ぶれ補正効果は過度な期待は禁物
シャッタースピードを落とした手持ち撮影や、動画撮影時に活躍するレンズ内手ぶれ補正。「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」にも搭載されており、実際に使ってみた感じでもブレの軽減を体感することができました
ただ、昨今のiPhoneなどスマホのようなヌルヌルとした劇的なブレの軽減効果は無いため、その点は留意しておく必要があります
\ 比較動画は0:26あたりから /
とはいえ、APS-Cはカメラ側に手ぶれ補正が付いていない機種も多いため、多少たりとも手ぶれ軽減の恩恵があるレンズは非常に重宝すると思います
サイズ感・重さは気になるかも

「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」はAPS-Cレンズの中では比較的大きなレンズのため、購入前のサイズ感・重さは要チェックかと思います
重さ | 525g |
最大径 × 長さ | 74.6 × 119.3 mm |

男性の方であれば特に扱いに困ることは少ないと思いますが、特に女性の方は要チェックかと思います
フォトウォーク仲間のしまりすさん(FUJIFILM X-S10)も「許容範囲ではあるものの女性にとってはやや大きく・重いかも」とコメントされていました
サイズ・重さが気になる方は、より小型な標準ズームの「SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN」もぜひチェックしてみてください(詳しくは次の章で紹介します)
\ SONY α6400に装着したイメージ /

引用:CAMERASIZE.COM
「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」のレンズ長はおおよそ12cmとやや長さがあるため、カメラに装着したままでの持ち運びにあたって、バッグの新調が必要になるかもしれません

このサイズ感になると他の荷物とぶつかり合って傷がつくなどのトラブルも気になるので、専用のカメラバッグが何かと便利かと思います
僕も軽量構成でのバッグ選びにはこれまで頭を悩ませて他のですが、最近ようやくカジュアルな見た目と機能性を両立するカメラバッグを発見しましたので、ぜひこちらもチェックしてみてください

Tamron 17-70mm F2.8(Model B070)|おすすめな人
APS-Cレンズが豊富なSONY Eマウントでは、F2.8通しの標準ズームレンズでも複数のレンズが存在するため、どれにしようか悩む人も少なくないかと思います
スペックや価格を比較結果は以下の通り。どのレンズも評判が高く甲乙つけづらいのですが、スペック面だけをみるとサイズ感・画角に差分が見られます

価格的やサイズ面では「SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN」が頭ひとつ抜けている感がありますが、画角の広さではタムロンと圧倒的な違いがあるため、僕個人の意見としてはタムロンのコスパが高いと思います
メーカー | Tamron | SIGMA | SONY |
レンズ名称 (略称) | 17-70mm F/2.8![]() | 18-50mm F2.8 DC DN![]() | E 16-55mm F2.8 G![]() |
実売価格 | 約8万円 | 約6万円 | 約14万円 |
画角 (フルサイズ換算) | 17-70mm (25-105mm) | 18-50mm (27-75mm) | 16-55mm (24-82mm) |
開放F値 | F2.8 | F2.8 | F2.8 |
大きさ (最大径・長さ) | 74.6×119.3mm | 61.6×76.5mm | 73x100mm |
重さ | 525g | 290g | 494g |
最大撮像倍率 (寄りやすさ) | 0.21倍(広角端) | 0.2倍 | 0.2倍 |
手ぶれ補正 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
おすすめな人 | 最小限のレンズで 広いズーム域を使いたい人 | 軽くて小さな 標準ズームが欲しい人 | 高い解像感に 魅力を感じる人 |
サイズの許容レベル・撮りたい画角を軸に、みなさんが何を優先するか次第なのかなと思います

広い望遠域(かつF2.8通し)を2万円の価格差でカバーできると考えると、タムロンレンズのコスパは十分に高いと言えますね
まとめ:APS-C標準ズームに新しい選択肢を与えてくれるレンズ

今回は、SONY Eマウント・FUJIFILM Xマウント対応のAPS-C向けレンズとして評判を集める「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」について作例付きでレビューさせていただきました
記事内で何度もコメントしたように25〜105mmの広いズーム域を持ちつつ、F2.8通しで使えるレンズは、フルサイズを含めても前例がない素晴らしいスペックです
価格こそAPS-Cレンズの中では決して安くはありませんが、複数本のレンズの仕事を1本でカバーできると考えれば、コスパは非常に良いと思います

ぜひ、クオリティの高いズームレンズをお探しの方は、チェックされてみてはいかがでしょうか

当ブログでは、SONY機材を中心に各種レビューを行っています。以下の記事では、巷で神レンズと呼ばれるSONY Eマウントの単焦点・ズームレンズを紹介しています。お気に入りの一本を見極める参考にしてみてください
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