ISO感度は、簡単に写真を明るくできる便利な設定のひとつ
しかし、ISO感度をあげすぎるとノイズ(画質低下)の要因になるため、多様は禁物です
そこで今回は、便利だけど案外慎重に扱う必要があるISO感度について初心者でもわかりやすく体系的に解説します
この記事を読めば、ISO感度の概要と使いこなし方が身につきます。ISO感度を意識して撮影し、手振れ・被写体ブレを抑えた上手な撮り方をマスターしましょう
設定のコツを4行で紹介
細かな内容はさておき、結論から紹介します
ISO感度の概要とおすすめ設定を、以下の4行にまとめました

上記の結論を頭の片隅においてもらえると内容がより理解しやすくなると思います
ISO感度(いそかんど)とは

ISO感度は「カメラで光を感知する度合いを示す値」のことです

”自動的にカメラが明るさを足してくれる機能”くらいで理解してもらえればOKです!
ISO感度をカメラで確認する際には、ISOの横に表示される数字を確認しましょう

ISO感度の数字の意味とは
ISO感度は「小さいほど感度が低く」また「大きいほど感度が高く」なります

数字の大きさに比例して、感知する光の量が決まります(基準値は100)

実際に、ISO感度を変更した写真を並べてみました。ISO感度が高い写真の方が明るくなることがわかりますよね


左:ISO感度100 / 右:ISO感度400
ISO感度を高くすれば、非常に暗いシーンでもしっかり明るさを確保することができます
ISO感度を上げるメリット

ISO感度を上げることの最大かつ唯一のメリットは、暗いところでも写真のブレを抑えつつ明るく撮影できること

明るさ自体は、F値やシャッター速度で稼ぐことができますが、ISO感度も同様に明るさを調節する要素です
ISO感度を上げることが手振れ対策になる理由

手振れが起きる原因は、シャッタースピードが遅いことです
特に暗いシーンでは、明るさを稼ぐために必要以上にシャッタースピードが落ちて、ブレが発生しやすくなります
そんな場合に、ISO感度を上げることでシャッタースピードを速く維持したまま明るさを確保することができます
これにより「手振れ・被写体ブレ」を抑えることができます
ISO感度のデメリットはノイズが出ること

光を増幅してくれる便利なISO感度ですが、メリットばかりではありません
実は、ISO感度を上げとノイズが発生が発生し、画面がざらざらしたような見た目になってしまいます


左の画像:ISO感度100 右の画像:ISO感度102400
画像を拡大するとノイズが見やすくなると思います

プリントアウトや大画面モニターでみることを想定すると、やはりISO感度のあげすぎには注意が必要です
自分が許容できるISO感度を知ろう

ISO感度は明るさを稼ぐのに便利だけど、上げすぎにも注意する必要があります
では、ISO感度はどこまで上げたらいいのか?といった疑問がきっと湧きますよね
結論は、試してみて確認するのが一番確実となります。その理由は以下の3つです
- カメラの性能によって発生するノイズ量が違うため
- 写真の大きさによってノイズの目立ち方が違うため
- 個人の価値観によって許容できるノイズの量が違うため

3つの影響が複雑に絡むため、お使いの環境で実際に試してみるのが一番早いです
ISO感度を変更して撮影するのは非常に簡単です。設定を変えて撮影した写真を、ぜひ自分の目で確かめてみましょう!

シーン別おすすめISO感度

ISO感度のメリット・デメリットを整理すると以下のようになります
そこで、ここからはノイズを最小限にするための、シーン別おすすめISO感度設定を紹介します
慣れないうちはISO感度は基本的にAUTOでOK
具体的なシーンごとのISO感度を紹介する前に、前提として慣れないうちはISO感度の設定はAUTOをおすすめします
特にカメラ初心者の方は、シャッタースピード・F値など覚えることがたくさん

なるべく頭をシンプルにして撮影に集中することで、成功写真がたくさん撮っていきましょう
なお、ISO感度をAUTOにすることで、多少のノイズが乗ることはあるでしょうが、シャッタースピード設定をミスしてブレた失敗写真を撮るよりかは遥かに弊害は少ないです
晴れの日の屋外の場合
それでは、撮影シーンごとのおすすめ設定を紹介します
ISO感度100(最小値)がおすすめ
明るい環境ではシャッタースピードが遅くなることがないため、手振れ・被写体ブレの心配がありません
そのため、明るさの調整は絞り値やシャッタースピードに任せておき、ISO感度は最小値をできるだけ下げることがおすすめです


ISO感度をAUTOにした場合でも、非常に明るいシーンでは最小値が選択されますよ
暗い撮影シーン&手持ち撮影の場合
ISO感度800-6400がおすすめ
暗い撮影シーン&手持ち撮影では、手振れを抑止するため、ISO感度を上げる必要があります
ISO感度を自分が決める際には、「自分が許容できるISO感度の上限値」で撮影することがおすすめです

おそらく多くの人がISO感度 800-6400あたりまでは許容できるかと思います


ISO感度AUTOの場合は、ISO 6400以上になることもあるかと思います。その場合、ブレずに撮影することを優先して、ISO感度は気にしないことがおすすめです
暗い撮影シーン&三脚がある場合
ISO感度100(最小値)がおすすめ
三脚を使う場合は手振れを気にする必要がありません
ISO感度を上げるのは手振れを抑止するためなので、三脚を用いた場合はISOを最小値としても大丈夫です
ただし、この場合シャッタースピードは遅くなるため、動く被写体がある場合はブレる点は注意が必要です
星空撮影では微妙に天体が移動するため、長くてもシャッタースピードを10秒くらいに納めるようなISO感度が必要です(ISO感度3200くらいが目安)

まとめ
今回は、ISO感度の特徴とおすすめ設定について紹介しました
ISO感度は、写真を簡単に明るくできる一方で、ノイズ(写真の画質低下)を招く要因にもなり得ます

そのため、明るさ調整の最終手段として、うまく活用していきましょう
とはいえカメラ初心者の頃は、あまり深く考えずにISO感度AUTO(オート)で大丈夫です
大事な撮影シーンで失敗写真を出さないためにも、シャッタースピードをISO感度でカバーしてブレない写真をたくさん撮っていきましょう!

それでは、次の記事でお会いしましょう!よいカメラライフを!